人体の構造と機能 第73回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(6)性腺
《構造》
・生殖器系をご参照ください。
《機能と生理》
A)性腺ホルモン
・性腺ホルモンには、男性ホルモン(アンドロゲン)と女性ホルモンがあります。
B)男性ホルモン
・男性ホルモンの代表がテストステロンです。
・テストステロンは精巣の間質細胞(ライディヒ細胞)から分泌され、男性の第2次性徴を促し、蛋白同化作用を持ち、骨格や筋を発達させます。
C)女性ホルモン
・女性ホルモンには、エストロゲンやプロゲステロンがあって、卵巣から分泌されます。
・エストロゲンには17β‐エストラジオール、エストロン、エストリオールがあります。
・エストロゲンは、子宮粘膜の増殖、子宮筋の増大と血管の増生、膣粘膜の増殖をおこします。また、思春期では、女性の第2次性徴を促進します。
[設問] エストロゲンについて、正しい記述を一つ選べ。
イ 子宮粘膜を増殖させる
ロ 子宮筋の血管の減少をおこす
ハ 子宮粘膜から分泌される
ニ 子宮筋を萎縮させる
正解 (イ)
(7)消化管
A)消化管ホルモンのいろいろ
・消化管ホルモンには、ガストリン、コレシストキニン(パンクレオザイミン)、セクレチン、グルカゴン、ガストリン抑制ホルモンなどがあります。
B)ガストリン
・ガストリンは、胃の幽門部と十二指腸粘膜のG細胞で分泌され、胃の塩酸とペプシノーゲンの分泌を亢進します。
C)コレシストキニン
・コレシストキニンは、十二指腸粘膜で分泌され、胆嚢の収縮と酵素に富む膵液を分泌させる働きをします。
D)セクレチン
・セクレチンは、十二指腸粘膜で分泌され、水分の多いアルカリ性の膵液を分泌させて胃酸を中和します。
[設問] 十二指腸粘膜で分泌され、膵液の分泌を促し、胃酸を中和させるのはどの消化管ホルモンか? 一つ選べ。
イ ガストリン ロ コレシストキニン ハ セクレチン ニ グルカゴン
正解 (ハ)
(8)腎臓
A)腎臓から分泌されるホルモン
・腎臓では、レニン、エリスロポイエチンなどが分泌されます。
B)腎臓から分泌されるホルモンの作用
・レニンは血圧を上昇させ、エリスロポイエチンは赤血球の成熟を促進します。
(9)心臓
A)心臓から分泌されるホルモン
・心房の心筋から心房性ナトリウム利尿ペプチド、心室の心筋からは脳性ナトリウム利尿ペプチドが分泌されています。
B)心臓から分泌されるホルモンの作用
・心房性ナトリウム利尿ペプチド、脳性ナトリウム利尿ペプチドは、腎臓の尿細管に作用して、尿細管でNa+と水の排泄を促し、血圧を低下させます。
[設問] 血圧を上昇させる働きをするのはどれか? 一つ選べ。
イ エリスロポイエチン ロ レニン ハ 心房性ナトリウム利尿ペプチド ニ 心室性ナトリウム利尿ペプチド
正解 (ロ)
(10)松果体(pineal body)
A)松果体から分泌されるホルモン
・松果体細胞は、セロトニンからメラトニンをつくります。
B)松果体から分泌されるホルモンの作用
・メラトニンは性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、性腺の早期成熟を抑制します。
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