疾病の成り立ちと回復の促進 第18回(病態のいろいろ) [疾病の成り立ちと回復の促進]
(7)免疫異常
A) アレルギー
a) アレルギーとは?
・ アレルギーとは、ある抗原に対する特異的な抗体が結合し、複雑な種々の反応が加わって局所あるいは全身の細胞・組織の傷害を伴う生体にとって不利な反応をいいます。 アレルギーをおこす抗原をアレルゲンといいます。
b) アレルギーのいろいろ
ア)即時型アレルギー
・ I型アレルギー(アナフィラキシー型アレルギー)
・ II型アレルギー(II型細胞傷害型反応): 細胞表面の抗原が抗体と結合して細胞溶解ないし傷害がおこる反応をII型アレルギーといいます。
・ III型アレルギー(III型免疫複合体による組織傷害): 抗原と抗体が結合した免疫複合体によっておこる組織破壊をいい、これに基づく疾患群を免疫複合体病(めんえきふくごうたいびょう)といいます。 III型アレルギーによる疾患には、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎などがあります。
イ)遅延型アレルギー
・ IV型アレルギー: 即時型では液性抗体が働くのに対し、遅延型ではT細胞がエフェクターとして働き細胞性免疫が関与します。 反応は、抗原曝露後12時間ほどで始まり、24〜48時間でピークに達し、徐々に消えていきます。 ツベルクリン反応や接触性皮膚反応がこれによるものです。
[設問] アナフィラキシーショックはどれに属するものか?
イ I型アレルギー
ロ II型アレルギー
ハ III型アレルギー
ニ IV型アレルギー 正解 (イ)
[設問] 糸球体腎炎はどれによって起こる疾病か?
イ I型アレルギー
ロ II型アレルギー
ハ III型アレルギー
ニ IV型アレルギー 正解 (ハ)
[設問] ツベルクリン反応はどれによるものか?
イ I型アレルギー
ロ II型アレルギー
ハ III型アレルギー
ニ IV型アレルギー 正解 (ニ)
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