疾病の成り立ちと回復の促進 第29回(薬剤) [疾病の成り立ちと回復の促進]
J)薬剤の効果を左右する因子
・ 一般的因子: 体重、年齢、性差、肝機能と腎機能、他の薬剤との相互作用、服薬の徹底の度合
・ 偽薬(ぎやく)効果(プラセボ効果): 心理的要因で薬理作用のないもので効果がみられることをいいます。
・ 薬剤耐性: 薬剤を連用しているときに現れる薬効の低下
・ 薬物依存(やくぶついぞん): 薬剤を連用しているときにおこる習慣性が生じることがあります。 重症化した場合、薬剤を中止すると禁断症状(きんだんしょうじょう)が現れ、これを嗜癖(しへき)(耽溺)と呼びます。 習慣性と嗜癖を合わせて薬物依存と呼びます。
K)医薬品の開発
・ 新規の化合物の開発 → 前臨床試験(培養細胞、動物などを使った薬理作用をみる試験と安全性をみる試験があります)→ 第1相臨床試験(動物試験での効果がヒトでも現れるかどうかをみます)→ 第2相臨床試験(少数の患者で試験、薬効と副作用をみます)→ 第3相臨床試験(多数の患者群で対照薬との比較試験)→ 新薬として認可 → 発売後、第4相臨床試験(新たな薬物相互作用、まれな有害作用がないかどうかを調査)
[設問] 以下の文で正しいものを一つ選べ。
イ 偽薬効果とは、心理的要因で薬理作用のないものに効果がみられることをいう。
ロ 薬剤耐性とは、連用するうちに副作用がみられなくなることをいう。
ハ 薬物での禁断症状とは、長く飲まなかった薬剤を再度飲んで出る症状をいう。
ニ 薬物依存とは、薬物を連用していることをいう。
正解 (イ)
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