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基礎看護学(23)(診療に伴う技術) [基礎看護学]

(4)保温

・ 熱量の産生と放出のバランスがくずれた時、体温異常がおこります。

・ 温熱刺激により、末梢循環の改善がみられます。

・ やせた人、虚弱者などは低い温度に影響されて体熱を失いやすいので、保温に注意します。

・ 出血性ショックでは低体温になるので、患者の安静と保温に注意します。

・ 低体温では、心拍出量の低下、血圧下降、徐脈がみられます。

冷却.png

・ 低体温に対しては、寝具・寝衣の調節、室温の調節、温罨法、マッサージ、暖かい飲み物などによって体温の回復を図ります。

・ 悪寒のある発熱初期には、体表面からの放熱を防ぐ意味で保温を十分にします。

(5)罨法

・ 皮膚感覚の分布では、冷点の方が温点より密度が高くなっています。大腿部と胸部は特に温熱刺激に対して鈍感なので、温罨法の際には注意します。

・ 寒冷刺激によっておこる身体反応として、血管収縮と血流減少、組織代謝の低下がみられます。

・ 温熱刺激は、痛みの原因になる筋肉の緊張を緩和し、鎮痛・鎮静効果をもたらします。

・ 細菌感染や出血傾向がある場合は、炎症を増強したり血管を拡張するので、温罨法は避けます。

・ ゴム製の湯たんぽには60℃程度、金属製の湯たんぽには80℃程度の湯を用います。ゴム製の湯たんぽの場合、湯量は2/3程度とします。

・ 温罨法では、熱傷を避けるため、カバーを付けて身体から10cm以上離して貼用します。

・ 空気の入った氷枕は熱伝導の効率が悪いので、空気を抜きます。

・ 罨法の種類には湿性と乾性があり、湿性の方が熱伝導率がよいため、皮膚温との差をより強く感じます。

(6)心肺蘇生法

心肺蘇生.png

・ 舌根沈下予防のため、下顎挙上、頭部後屈、頤挙上して気道を確保します。

人工呼吸.png

・ 努力様呼吸がみられる時は、口腔内の喀痰・分泌物の除去をしてから気道を確保します。

・ 救急時の脈拍の触知は、成人では頸動脈、1歳以上の小児では頸動脈か大腿動脈、乳幼児では上腕動脈が適しています。

脈拍の触知.png

・ 人工呼吸

きもい.png

・ 心臓マッサージの圧迫部位は、胸骨のした半分とします。 一方の手掌基部を置きもう一方の手を重ねて、毎分100回以上のスピードで、成人の場合胸骨が5cm以上沈むように垂直に押します。 加圧と除圧は等間隔で行い、胸骨から手を離さないようにします。

・ 患者が成人の場合、心臓マッサージ30回、人工呼吸2回の割合で繰り返します。 ただ、最近では、心臓マッサージのみでも同等以上の効果があると言われています。

・ 8歳未満の小児に対する心臓マッサージは片手で行います。 乳児に対する人工呼吸は、口と鼻を一緒に覆って行います。 二人で対処する場合は心臓マッサージ15回、人工呼吸2回の割合で、一人で対処する場合は成人と同じとします。また、小児の胸骨圧迫は胸の厚みの1/3までしっかりと行います。

・ 心臓マッサージは硬い平らな場所で行うようにします。

(7)止血法

・ 外傷などにより全血液量の1/3が休息に失われると、ショックに陥ります。

・ 一時的止血法には、創部を直接圧迫する「直接圧迫止血法」と主な動脈を圧迫して止血する「間接圧迫止血法」があります。

・ 止血法の第一選択は「直接圧迫止血法」で、次ぎに「間接圧迫止血法」を試みます。 四肢の場合、第三選択として創部より心臓よりを縛る止血帯法を試みます。

止血帯.png

・ 永久止血法は、厳重な消毒のもと手術器具を用いて止血する方法です。

・ 重度外傷の動脈性出血の時は、出血量を最小限にとどめる迅速な応急止血が重要です。

・ 処置時には感染防止のため、直接血液に触れないようにします。

5)災害看護

(1)トリアージ

・  トリアージとは、災害発生時など多数の傷病者が発生した場合に、傷病の緊急度に応じて、適切な搬送や治療の優先順位を決定することをいいます。

・ トリアージを行う際には、色分けされたタグをかけて識別します。(下表)

トリアー時.png

・ トリアージの基準は、医療者の数、傷病者の数、搬送方法のバランスななどによって変わりうるもので、繰り返し行う必要があります。

・ トリアージは原則として一人で行うべきです。決定するものは、医師に限らず、看護師、救急救命士の場合もあります。

[設問] 低体温でみられる徴候の組み合わせを選べ。

イ 心拍出量の低下・血圧上昇・徐脈

ロ 心拍出量の低下・血圧低下・徐脈

ハ 心拍出量の増加・血圧低下・頻脈

ニ 心拍出量の増加・血圧上昇・頻脈              正解 (

[設問] 罨法について正しい記述を一つ選べ。

イ 皮膚感覚の分布は、冷点の方が温点より密度が低い。

ロ 温熱刺激は、筋緊張を緩和し、鎮痛・鎮静効果をもたらす。

ハ 細菌感染や出血傾向があっても、温罨法は避ける必要はない。

ニ 罨法では、湿性より乾性の方が熱伝導率がよいので、乾性では皮膚温との差を大きく感じる。

                               正解 (

[設問] 救急時の脈拍の触知は、乳児ではどこで行うのがよいか?

イ 頸動脈  ロ 大腿動脈  ハ 上腕動脈  ニ 橈骨動脈

                              正解 (

[設問] 心臓マッサージは毎分何回くらいで行うのがよいか?

イ 60回   ロ 80回  ハ 90回  ニ 100回以上

                              正解 (

[設問] トリアージにおいて、ただちに処置を行えば救命可能の状態の場合、タグの色はどれか?

イ 赤   ロ 黄   ハ 緑   ニ 黒              正解 (


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