在宅看護論(18)(在宅における医療管理を必要とする人と看護) [在宅看護論]
8)在宅褥瘡管理
(1)褥瘡発生のリスクアセスメント
・ 褥瘡のアセスメントスケールとしてブレーデン・スケールやスネル・スケール、ノートン・スケールがあります。
・ ブレーデン・スケールは 「知覚と認知」 「湿潤」 「活動性」 「可動性」 「栄養状態」 「摩擦とずれ」 の6つの観察項目についてアセスメントを行うものです。
・ 褥瘡好発部位の皮膚を観察し、アセスメントすることが重要です。
(2)褥瘡発生予防
・ 褥瘡の発生を予防するためには、物理的な負荷を軽減し、スキンケアを行い、栄養状態の維持・改善を図ることが必要です。
・ 体位変換や体位の工夫、除圧器具の使用などにより物理的な圧力の除去に努めます。除圧器具には、エアーマット、体圧分散マットレスがあります。
・ 体位変換時には、シーツや着衣の皺を伸ばして摩擦を減らすように心がけます。
・ ウレタンスポンジやビーズクッションなど容易に圧縮しない枕を使い、良好な体位を保つようにします。
・ 湿潤対策としては、濡れたオムツを早く替える、通気性のよい寝衣、寝具を選択することなどが必要です。
・ 乾燥に対しては、入浴や清拭後に十分に保湿剤を塗布することで対応します。
・ 褥瘡の既往部分や骨の突起部、臀部には、フィルム材やドレッシング材などで摩擦から保護します。
・ 褥瘡の予防には、栄養管理も重要な要素です。
(3)褥瘡の分類
(4)指導と安全管理
・ 体位変換は少なくとも2時間毎が望ましいが、介護者の負担や体力を考慮して効率のよい除圧器具の使用を検討し、無理のない援助方法を指導します。
・ 無理な移動介助をしないように指導します。
・ 尿失禁の際は、速やかに清拭を行い清潔を保持し、必要に応じて皮膚保護剤を使います。
・ 褥瘡好発部位を観察し、循環をよくするためにマッサージを行うよう指導します。発赤部位には、ローションを塗布してマッサージを行います。
・ 皮膚の状態に異常があれば記録し、看護師や医師に報告するよう指導します。
・ 栄養の管理も重要です。
(5)医師との連携
・ 褥瘡を含む身体状況および療養状況について主治医と情報を共有するよう指導します。
・ 処置に必要な薬剤が不足しないように早目に医師に処方を依頼します。
・ 栄養士とも連携し、栄養管理を行います。
[設問] 褥瘡のアセスメントスケールであるブレーデンスケールの観察項目は、「知覚と認知」「湿潤」「活動性」「可動性」「摩擦とずれ」以外に何があるか? 一つ選べ。
イ 年齢 ロ 性 ハ 栄養状態 ニ 体重 正解 (ハ)
[設問] 褥瘡発生予防に関して正しいものを一つ選べ。
イ 褥瘡の予防には物理的な負荷の軽減が重要であり、栄養状態の改善はさほど重要ではない。
ロ 物理的な圧力の除去には、体位交換や体位の工夫、除圧器具の使用などが行われる。
ハ 皮膚は乾燥させておくべきで、保湿剤は使用しない。
ニ 体位交換は4時間ごとに行う。 正解 (ロ)
[設問] 真皮までの欠損があれば褥瘡分類では次のどれにあたるか?
イ I度 ロ Ⅱ度 ハ Ⅲ度 ニ Ⅳ度 正解 (ロ)
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