成人看護学(63)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(2)言語の表出と理解の観察
・ 言語障害には、言語中枢が障害されておこる失語症と、音を構成する筋肉の運動障害による構音障害があります。
・ 失語症には、運動性失語(ブローカ失語)と感覚性失語(ウエルニッケ失語)があります。 運動性失語の場合、他人の話す言葉は理解できますが、自分で意識的に話そうとするとうまく話せなくなります。 また、感覚性失語では自分の言葉はなめらかにしゃべれますが、言葉の間違いが多く、他人の言葉が理解できなくなります。
(3)環境認知の観察
・ 感覚機能の障害がないのに、形や色、空間など、さまざまな感覚を通じて得た情報について、その内容や意味がわからない状態を失認と呼びます。
・ 失認には、視覚性失認、聴覚性失認、触覚性失認、病態失認があります。 半側空間失認に関しては、失認ではなく無視した状態といわれ、半側空間無視と呼ばれることが一般です。 半側空間無視は、右頭頂葉の頭頂連合野の病変でおこることが多いとされています。
・ ゲルストマン症候群は、手指失認、左右失認、失書、失算を伴った病態のことで、優位半球の頭頂葉病変によりおこります。
[設問] 運動性失語が起るのはどの部位の病変か?
イ 優位半球の前頭葉
ロ 優位半球の後頭葉
ハ 優位半球の側頭葉
ニ 脳幹 正解 (イ)
[設問] 半側空間無視はどの部位の病変でおこるといわれているか?
イ 左前頭葉 ロ 右前頭葉 ハ 左頭頂葉 ニ 右頭頂葉
正解 (ニ)
[設問] ゲルストマン症候群の症候の組み合わせを選べ。
イ 失語・空間無視・失算・失読
ロ 手指失認・左右失認・失算・失書
ハ 失語・手指失認・失行・失算
ニ 左右失認・失読・失行・空間無視
正解 (ロ)
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