成人看護学(68)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
19.運動機能障害をもつ患者の看護
1)観察とアセスメント
(1)四肢長の測定法
・ 四肢長の測定は、四肢の変形、機能障害を客観的に把握するために行ないます。
(2)関節可動域の測定法
・ 関節可動域(ROM; range of motion)の測定は、関節機能の評価法で、自動・他動の両可動域を測定します。 測定には角度計を用い、軸心・固定軸・移動軸を関節中心・長管骨長軸に一致させて行ないます。
・ 関節可動域測定では、基本肢位を0°として測定します。
・ 股関節屈曲拘縮の程度を知る方法としてトーマス法があります。 これは健側下肢を最大限屈曲させて代償性の腰椎前彎を減少させ、患側の股関節の屈曲の程度を知る方法です。
(3)筋周径の測定法、徒手筋力検査法
・ 周径の測定により筋萎縮・肥大、栄養状態の判定を行ないます。
・ 上腕、前腕、下腿は、ほぼ中央の最大周径部を測定します。
・ 大腿周径は、膝蓋骨の上端から、成人は10cm、小児では5cm上方で測定します。
・ 徒手筋力テストの評価は、全く活動がみられない[0]から正常の[5]までの6段階評価で行ないます。
・ ブルンストロムの評価法は、脳卒中などの中枢性麻痺において協同運動が前面に出て随意運動が思うようにできない場合に用いられます。 評価は、全く随意運動がなく、対側連動運動でも反応しない場合を[1]、動作の速さ、巧みさが正常に近い場合を[6]とした6段階で行ないます。
[設問] 関節可動域を測るときの基本肢位とは次のどれのことか?
イ 気をつけの姿勢で直立した時の肢位
ロ 日常生活動作を行う上で最も支障の少ない肢位
ハ リラックスして仰臥位をとったときの肢位
ニ 座位でリラックスしたときの肢位 正解 (イ)
[設問] ブルンストロムの評価法は何段階で行うか?
イ 4段階 ロ 5段階 ハ 6段階 ニ 7段階
正解 (ハ)
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