成人看護学(80)(排泄機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(3)膀胱留置カテーテル時の管理
・ 尿失禁患者に対しては、カテーテル留置で汚染を防ぐことができます。
・ 手術のため、術中・術後の安静時や尿量の観察が必要な場合や、下部尿路の手術後の創部の安静が必要な場合にカテーテル留置が行われます。
・ カテーテルは無菌操作で挿入し、固定水用ルートから滅菌蒸留水を注入して先端を膨らませます。
・ 経時的に尿流出状態を観察し、疼痛、屈曲、尿道口からの尿漏れの有無、固定状態を観察します。
・ 尿の逆流を防ぐため、蓄尿バッグは常に膀胱より低い場所に設置します。
・ 水分制限のない場合は、飲水を促し、尿量が1500mL以上維持できるようにします。
(4)脳卒中による排尿障害への訓練と援助
・ 脳卒中による排尿障害の急性期では、弛緩性膀胱により排尿筋の収縮力低下し尿閉をきたしやすくなります。
・ 脳卒中による排尿障害の回復期では、無抑制膀胱により尿意を我慢できなくなることが多くなります。
・ 認知・記憶障害による失禁の場合の援助は、「排尿リズムを把握してトイレに誘導する」 「トイレの入り口やドアに目印をつけて場所を示す」 「排泄方法がわからない場合には、その都度手を添えて動作を説明する」 などとなります。
・ 失語症がある場合、排尿のサインを決めておくか、患者の排尿のサインを把握し、トイレに誘導します。
[設問] 膀胱留置カテーテル時の畜尿バッグの位置はどれが正しいか?
イ 膀胱より高くする。
ロ 膀胱と同じ高さにする。
ハ 膀胱より低くする。
ニ どの位置でもかまわない。 正解 (ハ)
[設問] 膀胱留置カテーテルの場合、水分制限がない患者では、尿量はどれくらいにするか?
イ 1000mL未満
ロ 1000~1200mL
ハ 1300~1500mL
ニ 1500mL以上 正解 (ニ)
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