成人看護学(85)(排泄機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(3)低位前方切除術後の合併症予防と生活指導
(4)脳卒中による排便障害への対応
・ 運動不足から便秘になりやすく、便秘は怒責による血圧上昇をきたすので予防が必要です。
・ 水分摂取や腹部マッサージ、腰背部の温罨法により排便を促すようにします。
・ 決まった時間に排便する習慣をつけてもらいます。
・ 医師と相談の上、緩下剤を使いますが、浣腸の場合頭蓋内圧を上昇させることがあるので、使用する場合は医師の指示に従います。
(5)脊髄損傷による排便障害への対応
・ 肛門マッサージや腹部マッサージ、腹圧を高める姿勢、砂嚢による腹部圧迫など排便を誘発する方法を指導します。
・ また、規則正しい食事、便通によい食品摂取、水分摂取を指導します。
・ 日中は車椅子に乗ることやベッドでの体位交換、関節の可動域運動、腹筋運動などを行ってもらい、できるだけ身体を動かすようにしてもらいます。
・ 排便障害が上記の方法で解消しない場合は、坐薬、緩下剤の使用、浣腸、摘便などでの対応も考えます。
・ そして、生活リズムに応じた排便時間を設定して、排便を試みていきます。
(6)イレウスの予防と改善
(A)保存的治療を受ける患者への援助
(B)手術を受ける患者への援助
・ 術後は、減圧を積極的に行い、腹痛、悪心・嘔吐、腹部膨満感、排ガス状態、排液量、性状を観察します。
・ 腸蠕動が促進されるように早期離床をすすめます。 その際、イレウスチューブや点滴ルートなどをまとめて歩行しやすくしておくようにします。
・ 腸蠕動亢進薬(ネオスチグミン、パントテン酸製剤)が投与された場合は、腸蠕動音、腹部膨満感、排ガスの有無について観察します。
・ 食事摂取が可能になれば、流動食から開始し、徐々に固形物を摂取できるようにします。
・ 再発予防のため、消化されない食品(昆布、きのこ類など)は避けるようにします。
[設問] 低位前方切除術に関して正しい記述を一つ選べ。
イ 横行結腸の術式である。
ロ ストーマ造設が必要となる。
ハ 便の貯留機能が低下し、便意がなくなることが多い。
ニ 頻便のために肛門痛や肛門周囲皮膚炎がおこりやすくなる。
正解 (ニ)
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