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小児看護学(18)(病気や入院が子供に与える影響とその看護) [小児看護学]

8.病気や入院が子供と家族に与える影響とその看護

1)病気や入院が子供と家族に与える影響とその看護

・ 前操作段階以前の子供にとって、病気を理解することはできず、痛みや苦しみといった症状に対する感情だけが現れます。 特に幼児期前期の子供は、病気やそれに伴う様々な苦痛を自分に対する何らかの罰と考える傾向にあります。

                      前操作段階:1歳半から6,7歳にかけての時期

・ 学童中期から後期の具体的操作段階になると、病気と身体症状との関係が理解できるようになりますが、目に見えない病気に対する体内の諸器官との関連づけについては混乱しやすく、うまくできません。

                      具体的操作段階:7から12歳くらいの時期

・ 形式的操作段階に入ると、論理的な思考が可能となり、病気の原因が外因的なものであることや、それらの体内での作用を理解できるようになります。 また、精神的なことも病気の原因になることが理解できるようになります。

                      形式的操作段階:12~15歳くらいの時期

・ 病気や入院によるストレスを効果的に対処することは、健康な成長発達と適応を促進することにつながっていきます。子供は、発達段階や性格によって、攻撃的行動、逃避、感情表出などの方法で対処しようとすることもあります。

・ 子供への病気の影響に関与する因子としては、子供自身の生体因子(発達段階・生活経験・性格・対処能力・病気の理解など)と、病気やそれに伴う治療・生活環境などの環境因子があります。

・ 入院によって、子供は慣れ親しんだ人や場所から離され、非日常的な環境におかれ、痛みや苦痛を伴う経験を余儀なくされます。 このようなストレスへの子供の対処能力を高めるために、十分な準備が必要となります。

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・ 病気による子供のストレス因子には、身体的苦痛・不快、日常生活の制限、治療や処置による苦痛、家族との別離、環境の変化などがあります。

・ 子供へのストレスに対して効果的な対処がなされれば、子供の成長発達を促進し、社会への適応をもたらすことにつながります。

・ 子供の病気や入院は、家族の心理的動揺をもたらしやすく、子供への養育態度にも影響を及ぼすことがあります。

・ 子供が病気になると親の注意はその子供に向けられるため、兄弟は寂しさや欲求不満で退行現象や身体症状をきたすこともあります。

[設問] ピアジェの具体的操作期に相当するものを、一つ選べ。

イ 病気やそれに伴う様々な苦痛を自分に対する何らかの罰と考える。

ロ 病気と身体症状との関係が理解できるが、目に見えない病気に対する体内の諸器官との関連づけはうまくできない。

ハ 病気の原因が外因であること、それらの体内での作用を理解できる。 

ニ 精神的なことも病気の原因となることが理解できる。

                                         正解 (

 

 小児看護学(20) (さまざまな状況にある子供と家族への看護)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16

 

                


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