小児看護学(43)(さまざまな状況にある子供と家族への看護) [小児看護学]
(4)溺水と処置
・ 自宅の浴槽で溺れるケースが多いので、浴室へは1人では入れないようにします。
・ 溺れている場面に遭遇し、水から引き上げた時に、子供がすぐ泣くようなら心配はありません。 顔色がすぐれない、チアノーゼ、喘鳴などがみられたら肺への誤嚥の可能性もあるので、診察を受けさせるようにします。
・ 発見した時、意識があれば、低体温にならないように暖かくして病院へ行き、診察を受けさせます。
・ 発見した時、呼吸停止・心停止はなくても、意識がなければ、気道を確保して、人工呼吸をしながら至急病院へ行くようにします。
・ 呼吸停止・心停止があれば、気道を確保して、人工呼吸・心マッサージを行い至急病院へ搬送します。 低体温の時は、全身を適度に暖めながら皮膚のマッサージを行い末梢の循環をよくします。
(5)心肺蘇生法
・ 子供では、多くの場合、呼吸停止が心停止よりも先におきます。 脳などへの障害を最小限にするには、呼吸停止後4分以内に、有効な心肺蘇生(CPR)を行う必要があります。 脳の血流が10分以上遮断されると回復は不可能といわれてます。
・ 心肺蘇生のABCは、医師の到着を待たずに行う1次救命処置の基本であり、確実に行うようにします。
・ 低出生体重児では、気道の閉塞・中枢神経の未熟、低酸素などで容易に無呼吸発作(20秒以上の呼吸停止)を生じます。 顔色が蒼白となり、チアノーゼが出現し、呼吸を止めている時は、やさしく踵や足底を叩く、または児の背中・胸部をなでるなどしてみます。 気道が閉塞されている時は、吸引を行う必要があります。 たいていの場合は気道内の分泌物の除去で呼吸が開始します。 これで回復しない時は、バッグ&マスクで人工換気を行います。
・ 乳幼児では、呼びかけて肩を揺すり反応をみます。 反応がなければ、吸引装置を使用できる時は吸引を行います。 回復しなければ下顎を挙上して、呼吸が開始するか様子をみます。 呼吸停止を確認したら、気道を確保した状態で、子供の鼻をつまみながら口対口あるいは口で子供の口と鼻を覆って行う人工呼吸が必要となります。
・ 心マッサージ
[設問] 新生児無呼吸発作は、何秒以上持続する呼吸停止のことをいうのか?
イ 10秒 ロ 15秒 ハ 20秒 ニ 25秒 ホ 30秒
正解 (ハ)
[設問] 子供の心肺蘇生法は、次のどれで行うか?
イ 心マッサージ30回、人工呼吸2回をくりかえす。
ロ 心マッサージ20回、人工呼吸3回をくりかえす。
ハ 心マッサージ15回、人工呼吸4回をくりかえす。
ニ 心マッサージ10回、人工呼吸1回をくりかえす。
正解 (イ)
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