小児看護学(44)(さまざまな状況にある子供と家族への看護) [小児看護学]
(6)乳幼児の意識レベル
・ 意識レベルの評価には3−3−9度方式(JCS)、乳幼児用に修正を加えた坂本の 「乳幼児用JCS」 などが用いられています。
・ 意識障害のある子供は、意識レベルの観察とともにバイタルサインの変化、四肢の動き、けいれん、麻痺、瞳孔反射、チアノーゼなどを観察します。 乳児では大泉門の状態、水分出納のバランスに気を付けます。
(7)吸引
・ 障害があり自力で十分に痰・鼻汁・気管内分泌物の排出を行えない時に、気道の閉塞や無気肺などを防ぐ目的で行われます。 吸引には、口腔内吸引、鼻腔内吸引、気管内吸引などがあります。
・ 口腔内・鼻腔内吸引は準清潔操作、気管内吸引は清潔操作で行います。 吸引は不快感や苦痛を伴いますので、必要な時に手際よく行うようにします。
・ 吸引チューブは挿入する時は、鼻腔・気管粘膜を傷つけないように吸引圧をかけないで挿入し、吸引する時にチューブをゆっくり引きながら圧をかけます。
・ 口腔・鼻腔の吸引圧は20cmHgですが、新生児や低出生体重児の吸引は10〜15cmHgで行います。 粘膜を傷つけますので、分泌物が粘稠で思うように吸引できなくても、吸引圧をむやみに上げるのは避けます。
・ 1回の吸引時間は10秒くらいとし、分泌物を引き終わらない時は、子供の呼吸数・心拍数・顔色をみながら適当な間隔をおいて再度吸引するようにします。 生理食塩水を使用して洗浄する時の量は、0.2ml/kg/回を目安とします。
・ 吸引は刺激となり嘔吐を誘発しますので、哺乳・食事後の約30分は避けます。 分泌物が多い子供は、哺乳・食事前に吸引するようにします。
[設問] 「飲み物を見せると飲もうとする、あるいは乳首を見せると欲しがって吸う」は、坂本の「乳幼児用JCS」では次のどれか?
イ I-3 ロ II-10 ハ II-20 ニ II-30 ホ II-100
正解 (ロ)
[設問] 新生児での口腔・鼻腔の吸引圧は、どれが適切か?
イ 30~25cmHg ロ 15~20cmHg ハ 10~15cmHg ニ 5~10cmHg
正解 (ハ)
[設問] 吸引の一回の吸引時間はどれくらいが適切か?
イ 30秒 ロ 20秒 ハ 15秒 ニ 10秒
正解 (ニ)
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