母性看護学(4)(人間の性と生殖) [母性看護学]
2.人間の性と生殖
1)ヒトの発生と遺伝的要素
・ 精子が卵子の中に侵入することによって受精が成立します。 これがヒトの発生となります。
・ 精子は男性性細胞で、精母細胞から2回の分裂を経て生じます。 受精能力は女性性器の中で約3日間とされます。
・ 原始卵胞が発育・成熟し、FSH(卵胞刺激ホルモン)の作用により成熟卵胞となり、成熟卵胞にLH(黄体形成ホルモン)が働き、排卵がおこります。
・ 精子が卵子の一部に生じた受精丘から卵黄内に侵入することになります。 侵入すると、精子は尾部を失い、精核となり、これが卵核と癒合して第1分割核が形成され、受精卵となります。
・ 受精卵は分裂増殖し、桑実胚を経て、胞胚となります。
2)性周期と生殖機能のメカニズム
(1)性周期とホルモン
・ 月経とは、女性におこる子宮内膜の剥離に伴っておこる出血のことをいいます。
・ 月経周期とは、月経開始の第1日目から、次回の月経開始の前日までの期間のことで、通常28日前後の周期となります。
・ 卵巣ホルモンの分泌の低下により月経が開始されると、視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン:GnRH)放出され、そのホルモンの指令により下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されることになります。
・ FSHは卵胞を刺激し、成熟した卵胞からエストロゲンが分泌され、子宮内膜を増殖させます。
・ エストロゲンの分泌がピークに達すると、そのフィードバック作用により、排卵を促し、卵胞の黄体化を指令する黄体化ホルモン(LH)が下垂体から大量に分泌されることになります。
・ 黄体から分泌されるプロゲステロンは、子宮内膜を分泌期、つまり受精卵が着床できる状態とし、同時に体温が高くなります。 黄体の寿命は約2週間で、その後、月経が始まります。
(2)受胎のメカニズム
・ およそ1/100の確立で2つの主席細胞、1/1000の確立で3つの主席細胞が発育して2卵性双胎、3卵性品胎の原因となります。
☆主席細胞: 休眠していた原始卵胞群が排卵に向かって成熟していきますが、最終的に排卵にいたる卵胞のことを主席卵胞あるいは主席細胞と呼びます。
・ 子宮内膜は、受精卵の着床の場となります。 子宮内膜は、月経時に剥離・脱落する機能層と、剥離・脱落しない基底層からなっています。
[設問] 精子の受精能力は、女性性器の中で何日間とされるか?
イ 1日 ロ 3日 ハ 5日 ニ 7日 ホ 10日
正解 (ロ)
[設問] 成熟卵胞に何が働くと排卵がおきるか?
イ 黄体形成ホルモン
ロ 卵胞刺激ホルモン
ハ 性腺刺激ホルモン
ニ エストロゲン 正解 (イ)
[設問] 精子が卵子に侵入した後、尾部を失ったものを何と呼ぶか?
イ 精母細胞 ロ 精頭 ハ 精核 ニ 精中心
正解 (ハ)
[設問] 月経周期について正しい説明を一つ選べ。
イ 月経開始第1日目から次回月経開始の前日までをいう。
ロ 月経終了日から次回月経開始部までをいう。
ハ 月経開始第1日目から次回月経開始日までをいう。
ニ 月経終了日から次回月経開始の前日までをいう。
正解 (イ)
[設問] 子宮内膜を増殖させるのは、どれか? 一つ選べ。
イ エストロゲン
ロ プロゲステロン
ハ 黄体化ホルモン
ニ 性腺刺激ホルモン 正解 (イ)
[設問] 卵胞刺激ホルモンの作用で、原始卵胞から発育・成熟し、最終的にグラーフ細胞となり排卵にいたる、普通は1個だけの細胞をなんというか?
イ 卵母細胞
ロ 発育卵胞
ハ 顆粒細胞
ニ 主席卵胞
正解 (ニ)
母性看護学(7) (女性のライフサイクル各期における看護)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-10-18
コメント 0