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母性看護学(17)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]

4)新生児の看護

(1)新生児の胎外適応

・ 新生児は、必ず啼泣によって呼吸を開始します。 胎児の肺は、肺水(肺胞水)で満たされていて、産道を通過する際に胸郭が圧迫され、正期産児では約40〜50mLの肺水が口鼻から搾り出されます。

・ 出生で、圧迫されていた肺が胸郭の弾性で膨らみ、肺胞に空気が入ることになります。 肺を押し広げるためには、50〜60cmH2Oという高い圧が必要となります。

・ 成熟した肺には界面活性物質(サーファクタント)が存在し、表面張力を低下させて肺を開いたままの状態に保っている。

・ 呼吸は通常、生後1〜2時間以内に安定します。 新生児の呼吸数は1分間に約40〜50回で、胸腹式呼吸です。

・ 新生児の呼吸は周期性呼吸と呼ばれ、最初の数時間は不規則で、速く呼吸しているかと思うとゆっくりになったり、しばらく止まったりします。

・ 胎児循環から新生児循環への主な変化は、肺動脈が開き、卵円孔が閉じ、動脈管が閉じ、静脈管が閉じ、臍帯動脈が閉じ、胎盤循環がなくなることになります。

・ 胎内では、右室が動脈管を介して体循環に大きく関係しているため、右室優位になっていますが、出生と同時に体循環は左室のみで行われることになります。 新生児の心機能は、移行期であるため、両方の特徴を備えています。

・ 出生直後の新生児の心拍数は、約150〜180/分とやや頻脈ですが、2〜3時間後には安定し、120〜150/分となります。

・ 出生直後の新生児の体温は、37.0〜37.5℃です。

・ 羊水で濡れたままだと気化熱が奪われ、新生児自身の熱産生機能が不十分なため、低体温になりやすくなります。  そのため、羊水は拭き取り、温かいタオルで包み、保育器あるいはラジアンウオーマー下で蘇生を行います。

・ 出生後、新生児の血糖は一時的に低下し、生後2〜3時間頃に最低となります。 その後、胎内で蓄えられた糖により血糖値は上昇することになります。

・ 早産児や低出生体重児、重度の新生児仮死では低血糖がみられることが多くなります。

・ 出生後1分と5分で、アプガルスコアによって5項目について観察し、点数化します。 呼吸障害(鼻翼呼吸、シーソー呼吸、陥没呼吸など)は、その程度をシルバーマンスコアを用いて評価します。

アプガルスコア.png

 

[設問] 正期産児が産道を通過する際に口鼻から絞り出される肺水はどれくらいか?

イ 20~30ml  ロ 40~50ml  ハ 60~70ml  ニ 80~90ml

                                   正解 (

[設問] 新生児の呼吸は、一分間に約何回くらいか?

イ 10~20回  ロ 20~30回  ハ 30~40回  ニ 40~50回

                                   正解 (

[設問] 出生直後の新生児の体温は、どれくらいか?

イ 36~36.5℃  ロ 36.5~37℃  ハ 37~37.5℃ ニ 37.5~38℃

                                    正解 (


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