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精神看護(44)(精神医療看護の歴史と人権・倫理) [精神看護学]

(2)転倒

(A)転倒の誘因

・ 精神運動興奮や不穏など精神症状が著しい時。

・ 薬物の副作用による起立性低血圧、めまい、ふらつきなど。

・ パーキンソン症状がみられる場合。

・ 高齢者での筋力低下や視聴覚機能低下。

・ 環境要因: 薄暗い照明、段差、床面の濡れ、機材や物品などの管理不備など

(B)転倒予防

転倒予防.png

・ 興奮・不穏などで明らかに転倒が予測される場合は、安全を最優先し、医師の指示により抑制します。

・ 事故がおこった場合は、管理システムを再検討し、次への予防に活かしていきます。

(3)誤飲

(A)誤飲の原因

・ 誤飲とは飲食物が気管に入り、気道を閉塞し、無気肺・窒息をおこす状態のことです。

・ 抗精神病薬の副作用や病状変化による嚥下不良、摂食行動の異常 (盗食、異食、むちゃ食い、頬張る食行動)、高齢者の加齢にともなう嚥下力の低下が、誤飲の原因となります。

(B)誤飲の予防

・まず、個々の患者の嚥下能力、摂食行動を把握します。

・ そして、個々の患者の嚥下能力に応じた食事内容(粥食、きざみ食、とろみ剤の使用など)と与え方を工夫します。

・ 飲食事の姿勢は座位にして、嚥下時は頸部を前屈し、誤嚥を防ぐようにします。

・ 嚥下状態を観察し、落ち着いた場所でゆっくりと摂取できるよう環境を整えることも必要です。

・ 危険性を回避しようとするあまり、食欲や食べる楽しみを損なわないように接することも大切です。

(C)誤飲した場合

・ 誤飲や窒息状態を発見した場合、ただちに医師や看護者の応援を求め、同時に指を口に入れて取り出します。 取り出せない場合、背中を叩いたり、背部から抱きかかえたりして心窩部をすばやく内上方に圧迫するように押し上げ、吐き出させます(ハイムリック法)。

・ 窒息に備え、吸引器や気道確保の準備を常時しておくようにします。

[設問] 誤飲の予防について、適切な記述を一つ選べ。

イ 食事は、患者の嚥下能力に応じたものにし、与え方も工夫する。

ロ 食事の姿勢は座位で、嚥下時は頸部を後屈し、誤嚥を防ぐ。

ハ 食事を摂るのに、場所や環境を特に考慮する必要はない。

ニ 誤飲の危険がある患者では、食事の楽しみは犠牲にしても仕方がない。

                             正解 (


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