過去問を考えてみよう (30) [過去問解析]
30. 母乳が主な感染経路となるのはどれか。 (2013年出題)
1. 成人T細胞白血病(ATL)ウイルス
2. 単純ヘルペスウイルス(HSV)
3. サイトメガロウイルス
4. 風疹ウイルス
正解 (1)
[解説] 成人T細胞白血病ウイルスは、幼少期に母親から母乳を介して感染することで有名なものです。 常識として頭に入れておくべきことです。 ですから、正解は1ということです。
[補足1] ATLウイルスの感染により、キャリアとなるわけですが……このキャリア率が九州、沖縄で高いとされています。 特に、沖縄、鹿児島、宮崎、長崎が高く、これらの県は日本の人口の4%そこそこなのですが、国内キャリアの約1/3を占めるといわれています。
[補足2] ATLウイルスの感染経路は、母乳を介するもの以外にとしては、輸血や注射によるものと性交があります。
[補足3] キャリアの母親からの母乳保育がなされた場合の児への感染率は約20%といわれています。
[補足4] 性交による感染は、一般には男性から女性へです。 精液に含まれるリンパ球を介して感染するとされています。
さて、次の設問に答えてください。
[設問] 成人T細胞白血病ウイルスの感染経路として多いのはどれか?
イ 母乳からの感染 ロ 空気感染 ハ 経口感染 ニ 接触感染
正解 (イ)
[設問] 成人T細胞白血病はどの地方に多いか?
イ 北海道などの寒冷地 ロ 東京など大都市部 ハ 中部・関西地方 ニ 九州・沖縄地方
正解 (ニ)
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