過去問を考えてみよう(571) [過去問解析]
<長文問題> 次の文を読み、571~573の問いに答えよ。 Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。 半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。 Aさんは5年前に夫を亡くしてから1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。
571. 入院後、呼吸苦と前胸部の痛みに対して、緩和ケアチームが関わることを主治医がAさんに提案した。その後、Aさんは病棟看護師に、「私は末期ではないのになぜ緩和ケアを受けるのですか」と尋ねた。 病棟看護師の説明で適切なのはどれか。 (2012年午前出題)
1. 「有効な治療方法がないので緩和ケアに切り替えましょう」
2. 「痛みが我慢できるなら緩和ケアを受ける必要はないですね」
3. 「緩和ケアは病気の段階とは関係なくつらい症状を緩和するものです」
4. 「痛みを軽減するための麻薬が処方できるのは緩和ケアチームの医師に限られるからです」
正解 (3)
[解説] 1と2は突き放すような説明で×。 4の説明は間違っているので×。 よって、 正解は3。
[補足] 癌患者では痛みだけでなく、 落ち込みや悲しみなど精神的な苦痛も味わうことになります。 緩和ケアとは、癌と診断されたときから行われる、身体的および精神的な苦痛を和らげるためのケアのことです。
次の設問に挑戦してください。
[設問] 癌患者の疼痛コントロールに使われる薬剤で最も鎮痛効果が高いと思われるのはどれか。
イ. アセトアミノフェン
ロ. コデイン
ハ. モルヒネ
ニ. トラマドール
正解 (ハ)
コメント 0