過去問を考えてみよう(586) [過去問解析]
〈長文問題〉 次の文を読み、586~588の問いに答えよ。 Aちゃん(生後3か月)は、体重2850gで出生した。 Aちゃんは、出生直後から心雑音を認め、中等度の心室中隔欠損症(ventricular septal defect)と診断された。 強心薬と利尿剤との内服で経過観察していた。 昨日から喘鳴と哺乳力低下とがみられるようになり、心不全の治療のため入院となった。 入院時、Aちゃんは5050g、体温37.6度、呼吸数52/分、発汗が著明である。 チアノーゼはみられない。 ミルクは約100ml/回を1日6,7回哺乳している。
586. Aちゃんの血行動態で正しいのはどれか。 (2012年午前出題)
1. 肺血流量の増加
2. 右心室から左心室への短絡
3. 大動脈から肺動脈への短絡
4. 大静脈から還流する血液量の増加
正解 (1)
[解説] 心室中隔欠損症の場合、左心室から右心室への短絡がみられ、右心室から肺動脈を経て肺血流が増えるので、 正解は1。
[補足] 心室中隔欠損症は、先天性心疾患で最も多いものです。 しかし、2歳までに自然閉鎖が30~50%程度起こるとされています。 手術が必要となるのは、心不全症状や肺機能の低下などの症状がある場合、肺体血流比☆が1.7以上のとき、肺高血圧が高度の場合などとなっています。
☆肺体血流比:全身の身体に行く血流に対し、肺へ行く血流が何倍あるかを表すもので、健常者は1となります。
次の設問に挑戦してください。
[設問] 健常者の肺体血流比はどれか。
イ. 0.5
ロ. 1
ハ. 1.5
ニ. 2
正解 (ロ)
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