過去問を考えてみよう(807) [過去問解析]
<長文問題> 次の文を読み807~809の問いに答えよ。 Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞(myocardial infarction)を発症し、2年前に慢性心不全(chronic heart failure)と診断され外来受診を続けてきた。 1週間前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。 本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全(heart failure)の増悪と診断され入院した。 入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。 心エコー検査で左室の駆出率28%であった。 体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。
807. このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。 (2015年午前出題)
1. ショック状態の可能性が高い。
2. 左心不全(left heart failure)の症状はみられない。
3. NYHA心機能分類のI度に該当する。
4. 浮腫は右心不全(right heart failure)の症状によると考えられる。
正解 (4)
[解説] 血圧は正常でショック状態とは言えず1は×。 夜間に咳と痰は左心不全の症状なので2も×。 NYHAI度では、日常労作で特に愁訴がない状態なので3も×。 正解は4。
[補足] 問題の患者の場合、トイレへの歩行時にも息苦しさがありNYHA機能分類ではIII度と思われる。
[参考] 成人看護学(20)(循環機能障害を持つ患者の看護) ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-07-02-1
次の設問に挑戦してください。
[設問] 安静時や軽労作時には障害はないが、階段昇降によって呼吸困難が生じるのは、NYHA心機能分類の何度か。
イ. I度
ロ. II度
ハ. III度
ニ. IV度
正解 (ロ)
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