人体の構造と機能 第101回(神経系) [人体の構造と機能]
C)間脳
a)視床の機能
・視床は感覚の下位中枢であり、上行性の感覚神経路が終始していて、視床からはさらに大脳皮質の感覚野へと神経線維を送っています。
・視床は、錐体外路系や小脳、大脳感覚野などの中継基地の役割も果たしています。
・視床は、大脳辺縁系や小脳、大脳運動野などの中継基地の役割も果たしています。
・視床は、大脳辺縁系の一部としての機能も持っています。
b)視床下部の機能
・視床下部は、本能の脳ともいわれ、最も古い脳です。
・視床下部は、内分泌機能、摂食、概日リズム、ホメオスターシス維持などに大きな役割を果たす。つまり、各器管系を管理・調節する機能を持っています。
・前視床下部には、浸透圧受容器があって、血漿浸透圧の調節に関わっています。
・視床下部の視索上核と室傍核は、バゾプレッシンとオキシトシンの産生を行い、下垂体後葉に送って分泌しています。
・視床下部の腹内側核は満腹中枢、外側核は摂食中枢で、摂食行動には連動して関与します。
D)中脳・橋・延髄の機能
・上は大脳・間脳、下は脊髄、後ろは小脳があって、それぞれとの連絡路や上行、下行神経路の通り道となっています。
・第3~12脳神経の核があって、それぞれの支配器官の運動と感覚機能を司っています。眼球運動、表情筋の運動、嚥下・咀嚼運動、構音機能など重要な運動と、顔面・口腔・咽頭領域の感覚、味覚、聴覚、平衡感覚などの感覚に関わっています。
・延髄には呼吸中枢があります。
・脳幹には、網様体があり、意識レベルを維持するために重要な役割を果たしています。
E)脊髄の機能
・脊髄は、上は延髄と連結し、脊髄神経(末梢神経)の出入りする箇所となっています。
・白質には、感覚系の上行路と運動系の下行路が走っています。
・分節ごとに前角に存在する下位運動ニューロンには、大脳皮質からきた上位運動ニューロンの神経線維がシナプスで接続し、下位運動ニューロンからは前根を経て脊髄神経(運動神経)が出ていきます。
・後角には、温・痛覚の感覚神経細胞があって、末梢からきた温・痛覚を伝える感覚神経細胞の神経線維がシナプスを介して接続し、後角の2次感覚神経細胞から出た神経線維は交叉して、反対側の側索を上行します。
・深部感覚を伝える末梢からきた感覚神経線維は、そのまま同側の後索を上行します。
・脊髄は、脊髄反射の中枢で、反射弓は入力系が末梢からの感覚神経、出力が運動神経です。
[設問] 脊髄後角にあって神経線維を視床に送っているのは、何を伝える神経細胞か?
イ 振動覚 ロ 痛覚 ハ 位置覚 ニ 関節覚
正解 (ロ)
[設問] 視床下部の機能を二つ選べ。
イ 内分泌機能
ロ 感覚情報の中継
ハ 錐体路を構成
ニ 摂食行動への関与
ホ 視床と連動した運動の調節 正解 (イ、ニ)
[設問] 中脳・橋・延髄にあるものを二つ選べ。
イ 摂食中枢
ロ 顔面神経核
ハ 満腹中枢
ニ 呼吸中枢
ホ 情動中枢 正解 (ロ、ニ)
[設問] 脊髄後索を上行するのは、どの感覚を伝える神経線維か? 一つ選べ。
イ 痛覚 ロ 振動覚 ハ 嗅覚 ニ 温度覚 正解 (ロ)
人体の構造と機能 第100回(神経系) [人体の構造と機能]
《機能と生理》
A)中枢神経系の機能
・感覚神経によって集まる刺激・情報を統合し、外界への対応を決定し、指令を末梢神経(運動神経)を介して端末の器官(主に骨格筋)へ送ります。また、身体の中にある器官の調節を自律神経を介して行っています。
B)大脳の機能
a)新皮質と大脳辺縁系
・大脳には、新皮質といわれる理性を司る脳が表面にあって、内部には大脳辺縁系といわれる情動の中枢があります。
b)主な5つの機能
・大脳の機能には、認識、運動のプログラムの作成・制御、意識、感情・情動、記憶・学習があります。
c)大脳の機能局在
・大脳には機能局在があって、前頭葉では、運動野は骨格筋の随意運動(体性運動神経系)の中枢、ブローカ野は運動性言語中枢(発語に関与)、前頭前野は物事の計画や判断を行う最高中枢を担っています。
・頭頂葉では、体性感覚野は体性感覚の中枢、頭頂連合野は体性感覚、視覚、聴覚情報を連結して処理する中枢です。
・後頭葉の視覚野は視覚の中枢、側頭葉の聴覚野は聴覚の中枢、頭頂葉と側頭葉にまたがるウエルニッケ野は感覚性言語中枢(言語の理解などに関与)である。
e)大脳の交叉支配
・片方の大脳半球は、大半の機能において、身体の反対側を支配しています。
・小脳との連携においても交叉があって、小脳と身体では同側支配となっています。
f)大脳辺縁系の機能
・情動、記憶などに関与しています。
・側頭葉深部にある海馬(かいば)は、記憶と学習の中枢で、記憶の元となる情報が入り、短期記憶に関与しています。
g)大脳基底核の機能
・大脳基底核は、錐体外路系(すいたいがいろけい)の中枢で、錐体路(体性運動野と皮質脊髄路などで構成)や小脳と協同で、円滑な運動の遂行に大きな役割を果たしています。
[設問] 側頭葉にあるのは、次のどれか? 一つ選べ。
イ ブローカ野 ロ 視覚野 ハ 聴覚野 ニ 体性感覚野
正解 (ハ)
[設問] 次の文で、正しいものを一つ選べ。
イ 右大脳半球はアナログ脳、左大脳半球はデジタル脳と言われる。
ロ 頭頂葉と側頭葉にまたがるウエルニッケ野は運動性言語中枢である。
ハ 左小脳は、身体の右側を支配している。
ニ 大脳基底核は、錐体路を構成する。 正解 (イ)
人体の構造と機能 第99回(神経系) [人体の構造と機能]
G)髄膜
・脳と脊髄は、外から硬膜、クモ膜、軟膜で被われています。
・硬膜は、強い結合識性の膜で、大脳半球を左右に分ける大脳鎌(だいのうかま)、小脳と大脳を隔てる小脳テント、小脳半球を左右に分ける小脳鎌をつくっています。
・クモ膜と軟膜の間には、脳脊髄液で満たされるクモ膜下腔があります。
F)脳室系と脳脊髄液
・脳の中には脳室があり、大脳半球内にある左右の側脳室、間脳の中心部にある第3脳室、橋にある第4脳室があります。それらは、連絡孔や中脳水道で連絡していて、脳脊髄液が流れています。
・脳脊髄液は、脳室系にある脈絡叢(みゃくらくそう)で産生され、脳室系から第4脳室の正中口と外側口からクモ膜下腔うに出て、大脳縦裂周囲のクモ膜顆粒から吸収されます。
G)脳の血管
・脳には、4本の動脈(左右の内頸動脈と椎骨動脈)が灌流しています。
・内頸動脈は、中大脳動脈、前大脳動脈に分かれ、大脳の前方部を灌流します。
・左右の椎骨動脈は、合流して脳底動脈となり、脳幹、小脳に分枝を送り、そのあと、左右の後大脳動脈に分かれ、後頭葉中心に大脳後方部を灌流します。
・内頸動脈系の動脈と椎骨動脈系の動脈は、脳底部の上部で、前交通動脈、後交通動脈を介してウイリスの動脈輪(どうみゃくりん)をつくっています。
[設問] 脳を覆う膜で外側から中に向かう順の正しいものを選べ。
イ 硬膜 → クモ膜 → 軟膜
ロ クモ膜 → 硬膜 → 軟膜
ハ 硬膜 → 軟膜 → クモ膜
ニ クモ膜 → 軟膜 → 硬膜 正解 (イ)
[設問] 大脳と小脳を隔てるものはどれか? 一つ選べ。
イ 大脳鎌
ロ 小脳鎌
ハ 小脳テント
ニ クモ膜 正解 (ハ)
[設問] 正中口と外側口があるのはどこか?
イ 側脳室 ロ 第3脳室 ハ 第4脳室 ニ 中脳水道
正解 (ハ)
[設問] ウイリスの動脈輪において、左右の脳循環を結ぶ動脈はどれか? 一つ選べ。
イ 前大脳動脈 ロ 前交通動脈 ハ 後交通動脈 ニ 中大脳動脈
正解 (ロ)
人体の構造と機能 第98回(神経系) [人体の構造と機能]
E)小脳
・小脳は、後頭蓋窩(こうずがいか)の脳幹の後ろにあって、上・中・下小脳脚とつながる。
・小脳は、細くなった中央部の虫部(ちゅうぶ)と左右に膨大した小脳半球からなるものです。
F)脊髄
・脊髄の始まりは、頭蓋骨の大後頭孔を出たところで、脊柱管内を通って、第1腰椎レベルで終わります。長さは40~45㎝です。
・脊髄は、頸髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄からなっています。
・脊髄の横断面では、中央部に神経細胞の集まりである灰白質(かいはくしつ)、周辺部に神経線維が通る白質(はくしつ)があります。
・脊髄の灰白質には、前角(ぜんかく)、側角(そくかく)、後角(こうかく)があります。
・前角には、下位運動ニューロン(下位運動神経細胞)があり、側角には交感神経の節前ニューロンがあります。後角には、痛覚・温度覚の感覚神経細胞があります。
・脊髄には、運動神経が出る前根(ぜんこん)と感覚神経が入る後根(こうこん)があります。
・脊髄の白質は、前索(ぜんさく)、側索(そくさく)、後索(こうさく)に分けられます。
・前索には、前皮質脊髄路(錐体路、下行線維)、外側脊髄視床路(感覚系、上行線維)、前・後脊髄小脳路などがあります。
・後索には、薄束(はくそく)と楔状束(きつじょうそく)という感覚系の上行線維があります。内側が薄束、外側が楔状束です。
[設問] 小脳の中央部にあるのは、次のどれか? 一つ選べ。
イ 小脳半球 ロ 小脳虫部 ハ 上小脳脚 ニ 中小脳脚
正解 (ロ)
[設問] 脊髄下端はどのレベルか?
イ 第12胸髄 ロ 第1腰髄 ハ 第3腰髄 ニ 第5腰髄
正解 (ロ)
[設問] 脊髄後索を通るのは次のどれか? 二つ選べ。
イ 錐体路 ロ 脊髄視床路 ハ 薄束 ニ 楔状束 ホ 脊髄小脳路
正解 (ハ、ニ)
人体の構造と機能 第97回(神経系) [人体の構造と機能]
C)間脳
a)視床
・視床は、内側では第3脳室の側壁を構成していて、外側は内包(ないほう)に接しています。
・視床は、いくつかの核(視床前核、視床内側核、中心内側核、背側外側核、視床腹側核、後核)からなっています。
b)視床下部
・視床下部は、多くの核(視索上核、室傍核など)からなっています。
D)中脳・橋・延髄
a)中脳
・中脳は、大脳・間脳と橋をつなぐ位置にあり、小脳とは上小脳脚(じょうしょうのうきゃく)でつながっています。
・中脳の背側である被蓋(ひがい)には上丘(じょうきゅう)と下丘(かきゅう)があります。
・中脳の中央部には、上丘レベルでは動眼神経核・動眼神経副核(エディンガー・ウエストファール核)、赤核(せきかく)があって、下丘レベルでは滑車神経核があります。中央部腹側よりには黒質(こくしつ)があり、腹側には大脳運動野からの下行線維が通っている大脳脚(だいのうきゃく)があります。
・黒質には、メラニンを含む細胞が集まり、黒質の細胞はドパミン産生を行っています。
b)橋
・橋は上は中脳、下は延髄とつながり、後ろは中小脳脚で小脳とつながっています。
・橋は横断面でみると、腹背の2部(橋底部と橋背部)に分かれています。
・橋背部には、脳幹網様体(のうかんもうようたい)、三叉神経の諸核、外転神経核、顔面神経核の大半、内耳神経核の大半があります。
・橋底部には、下行する運動系の神経線維が走っています。
c)延髄
・延髄は、上は橋、下は脊髄につながり、後ろは下小脳脚と小脳でつながっています。
・延髄には、顔面神経核と内耳神経の一部と舌咽神経核、迷走神経核、副神経核の大半、舌下神経核があります。
[設問] 視床の内側にあるのは何か? 一つ選べ。
イ 側脳室 ロ 第三脳室 ハ 第四脳室 ニ 中脳水道
正解 (ロ)
[設問] 中脳と小脳をつなぐのはどれか?
イ 大脳脚 ロ 上小脳脚 ハ 中小脳脚 ニ 下小脳脚
正解 (ロ)
[設問] 延髄にあるのはどれか? 二つ選べ。
イ 動眼神経核 ロ 外転神経核 ハ 動眼神経副核 ニ 舌下神経核 ホ 副神経核
正解 (ニ、ホ)
人体の構造と機能 第96回(神経系) [人体の構造と機能]
2)神経系器官の構造と機能
(1)中枢神経系
《構造》
A)中枢神経系の構成
・中枢神経系は、脳と脊髄からなります。
・脳は頭蓋内に収納され、頭蓋骨の大後頭孔から脊髄につながり、脊髄は脊柱管内を走っています。
・脳は、大脳、間脳(かんのう)、中脳、橋(きょう)、小脳、延髄(えんずい)からなり、中脳、橋、延髄を脳幹(のうかん)と呼びます。
・中枢神経の神経細胞の軸索は、支持細胞の乏突起膠細胞によって髄鞘がつくられています。
B)大脳
・大脳は、大脳縦裂で左右に分かれ、脳梁(のうりょう)が左右の大脳を結んでいます。左右の大脳半球を連結するのが、脳梁(のうりょう)で左右の大脳を結んでいます。左右の大脳半球を連結するのは、脳梁の他に、前交連(ぜんこうれん)があります。
・大脳は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、島葉からなっています。
・前頭葉と頭頂葉は中心溝で分かれ、中心溝の前に1次運動野、中心溝の後ろに1次感覚野があります。
・左大脳の1次運動野の下前方にブローカ野(運動性言語中枢)があります。また、側頭葉後上部、頭頂葉下部をまたぐようにウエルニッケ野(感覚性言語中枢)があります。側頭葉には聴覚野(ちょうかくや)があります。
・後頭葉には、視覚野があります。
・大脳深部には大脳基底核があります。基底核のうち尾状核(びじょうかく)と被殻(ひかく)と合わせて線条体、被殻と淡蒼球(たんそうきゅう)を合わせてレンズ核といいます。
[設問] 脳幹を構成するのは橋の他に何があるか? 二つ選べ。
イ 間脳 ロ 中脳 ハ 小脳 ニ 延髄 ホ 大脳
正解 (ロ、ニ)
[設問] 中枢神経に分類されるものを二つ選べ。
イ 顔面神経 ロ 動眼神経 ハ 舌下神経 ニ 小脳 ホ 脊髄
正解 (ニ、ホ)
[設問] 次のうち、大脳の左右を結ぶ役割を持つものを二つ選べ。
イ 間脳 ロ 脳梁 ハ 前交連 ニ 中脳 ホ 視床
正解 (ロ、ハ)
[設問] 一般に、左1次運動野の下前方の前頭葉にあるのは次のどれか?
イ ブローカ野 ロ ウエルニッケ野 ハ 聴覚野 ニ 視覚野
正解 (イ)
人体の構造と機能 第95回(神経系) [人体の構造と機能]
14.神経系の構造と機能
1)概念
A)中枢神経と末梢神経
・神経系は、中枢神経と末梢神経からなる階層的でシステマティックな器官です。
B)感覚神経と運動神経・自律神経
・神経系は身体の外と内の情報を感覚神経系を介して集めて、中枢神経の中枢である脳において統合し、体性運動神経と自律神経を介して体外への対応(行動)と内臓の調節に当たっています。
C)神経組織を構成する細胞
・神経組織は神経細胞(ニューロン)と神経膠細胞(グリア)からなるものです。
D)神経細胞の構造
・神経細胞は、細胞体、樹状突起(じゅじょうとっき)、軸索からなっています。
E)シナプス
・ニューロンとニューロンのつなぎ目をシナプスと呼びます。
・運動神経と筋線維のつなぎ目を神経筋接合部(しんけいきんせつごうぶ)と呼びます。
F)神経膠細胞の種類
・神経膠細胞は、上衣細胞(じょういさいぼう)、星状膠細胞(せいじょうこうさいぼう)、乏突起膠細胞(ぼうとっきこうさいぼう)、小膠細胞(しょうこうさいぼう)に分類されます。
・上衣細胞は、脳脊髄液を産生分泌しています。
・星状膠細胞は、神経細胞に栄養素を渡して、老廃物を受け取り、それらを毛細血管とやり取りしています。
・乏突起膠細胞は、中枢神経の軸索を取り囲み、髄鞘(ずいしょう)をつくります。末梢神経では、シュワン細胞が髄鞘をつくっています。
G)血液脳関門
・血液脳関門は、毛細血管の内皮細胞と星状膠細胞で形成され、血液中から神経組織への物質の流入を制限する機構となっています。
[設問] 中枢神経細胞の髄鞘をつくるのは、どれか? 一つ選べ。
イ 上衣細胞 ロ 星状膠細胞 ハ 乏突起膠細胞 ニ 小膠細胞
正解 (ハ)
[設問] 脳脊髄液を産生し分泌しているのはどれか? 一つ選べ。
イ 上衣細胞 ロ 星状膠細胞 ハ 小膠細胞 ニ 神経細胞
正解 (イ)
[設問] 毛細血管の内皮細胞とともに血液脳関門を構成するのはどれか? 一つ選べ。
イ 上衣細胞 ロ 星状膠細胞 ハ 小膠細胞 ニ 乏突起膠細胞
正解 (ロ)
人体の構造と機能 第94回(感覚器系) [人体の構造と機能]
(5)皮膚
《構造》
・皮膚の感覚受容器には、自由神経終末、メルケル触覚細胞、マイスネル小体、ファーターパチニ小体、クラウゼ小体、ルフィニ小体があります。
《機能》
・体性感覚を受容して、体性感覚神経を介して脳へと伝える機能を持っています。
・メルケル触覚細胞は触覚を伝達します。
・自由神経終末では、痛核を受容伝達します。
・マイスネル小体では、触覚を受容伝達します。
・ファーター・パチニ小体では主に圧核を受容伝達します。
・クラウゼ小体とルフィニ小体は温度覚を受容伝達します。
(6)内臓臓器
・深部臓器からの感覚情報を伝えるために、感覚受容器が存在しています。
・これらの受容器で集まられて脳に送られる情報は、深部臓器の調節と管理に利用されています。
[設問] 皮膚感覚の中で、温度覚を受容伝達するのは、次のうちどれか? 二つ選べ。
イ クラウゼ小体
ロ ファーター・パチニ小体
ハ マイスネル小体
ニ 自由神経終末
ホ ルフィニ小体 正解 (イ、ホ)
[設問] マイスネル小体が受容伝達するのはどの感覚か? 一つ選べ。
イ 触覚 ロ 痛覚 ハ 温度覚 ニ 圧覚
正解(イ)
感覚器系はこれで終了です。 次回からは、神経系です。
人体の構造と機能 第93回(感覚器系) [人体の構造と機能]
(4)舌
《構造》
・舌の表面には乳頭があって、それは有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)、葉状乳頭(ようじょうにゅうとう)、茸状乳頭(じじょうにゅうとう)、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)に分類されます。
・味蕾(みらい)は、有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭にあります。
・味蕾には味覚受容器があって、全体で約1万個あるといわれています。味蕾は加齢とともに減少します。
・味蕾は、支持細胞、基底細胞で構成され、基底膜側から神経線維が入っています。
《機能》
・味覚を受容して味覚を司る神経線維を介して脳へ伝えます。
・舌の前2/3の味覚は、顔面神経、後ろ1/3の味覚は舌咽神経の支配を受けています。
[設問] 舌の構造と機能について、正しいものを一つ選べ。
イ 舌の乳頭には、有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭、糸状乳頭があっていずれにも味蕾がある。
ロ 味蕾は加齢とともに減少する。
ハ 味蕾には基底膜と反対側から神経線維が入ってくる。
ニ 舌の前1/2の味覚は顔面神経、後ろ1/2の味覚は舌咽神経の支配をうけている。
正解 (ロ)
人体の構造と機能 第92回(感覚器系) [人体の構造と機能]
(3)鼻
《構造》
・鼻腔粘膜には匂いを感受する黄褐色の嗅部があります。
・嗅粘膜上皮には嗅細胞、支持細胞、基底細胞があります。
・嗅細胞には繊毛があります。
・嗅細胞の中枢側の突起が脳底面にある嗅球に連絡しています。
《機能》
・嗅覚が受容し、脳へ伝える機能を持っています。
・嗅細胞の中枢側の突起が嗅神経と呼ばれますが、嗅細胞は感覚細胞でもあります。
[設問] 正しい記述を一つ選べ。
イ 鼻粘膜には匂いを感受する黄褐色の嗅部がある。
ロ 嗅粘膜上皮に、嗅細胞以外にあるのは支持細胞だけである。
ハ 嗅細胞の中枢側に繊毛がある。
ニ 嗅粘膜の末梢側に基底膜はある。
正解 (イ)