人体の構造と機能 第106回(神経系) [人体の構造と機能]
e)主な末梢神経
・横隔神経(おうかくしんけい)は、C3~C5の頸神経から派生するもので、横隔膜の運動を支配しています。
・腋窩神経(えきかしんけい)は、三角筋、小円筋を支配し、上腕の外側と背側の皮膚感覚を支配しています。
・橈骨神経は、上腕三頭筋や腕橈骨筋などの上肢の骨格筋群を支配し、腋窩神経、正中神経、尺骨神経などとともに上肢の皮膚感覚を支配しています。
・正中神経は、前腕の屈側と母指球の筋群を支配し、さらに橈骨神経、尺骨神経とともに上肢の遠位部の皮膚感覚を支配しています。
・尺骨神経は、前腕尺側の筋群を支配し、さらに正中神経、橈骨神経とともに手の遠位部の皮膚感覚を支配しています。
・肋間神経は、12対の胸神経の前枝のことをいいます。肋間筋のほかに、上下後鋸筋、胸横筋、側・前腹筋を支配するとともに、胸部と腹部前面の皮膚感覚を支配しています。
・大腿神経は、腰神経叢の中で最も大きく、腰筋、腸骨筋、恥骨筋、大腿四頭筋などを支配しています。また、下腿や足背などの皮膚感覚にも関与しています。
・上臀神経は中臀筋、小臀筋を、下臀神経は大臀筋を支配しています。
・坐骨神経(ざこつしんけい)は、仙骨神経叢をつくる神経線維の大部分からなっています。坐骨神経は、大腿屈筋などの大腿部の骨格筋群を支配する筋枝を出したあと、膝のあたりで脛骨神経(けいこつしんけい)と総腓骨神経(そうひこつしんけい)に分かれ、さらに分枝を続け、下腿の筋群や皮膚感覚などを支配しています。
[設問] 上肢の三角筋を支配する神経はどれか?
イ 横隔神経 ロ 腋窩神経 ハ 橈骨神経 ニ 正中神経
正解 (ロ)
[設問] 母指球と前腕部の屈側の筋群を支配するのは、どれか?
イ 腋窩神経 ロ 橈骨神経 ハ 正中神経 ニ 尺骨神経
正解 (ハ)
[設問] 上腕三頭筋を支配するのは、どれか?
イ 腋窩神経 ロ 橈骨神経 ハ 正中神経 ニ 尺骨神経
正解 (ロ)
[設問] 大腿四頭筋を支配するのはどれか?
イ 大腿神経 ロ 上臀神経 ハ 坐骨神経 ニ 下臀神経
正解 (イ)
[設問] 坐骨神経から直接分かれた神経はどれか? 二つ選べ。
イ 脛骨神経 ロ 上臀神経 ハ 下臀神経 ニ 総腓骨神経 ホ 腓腹神経
正解 (イ、ニ)