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疾病の成りたちと回復の促進 第25回(免疫機構) [疾病の成り立ちと回復の促進]

3)免疫機構

(1)免疫とは?

・ 免疫とは、外部から侵入する微生物や移植された同種組織および体内に生じた不要産物などと反応して特異的な抗体をつくり、これらを排除して個体の恒常性を維持する現象です。

・ 免疫応答とは、生体が自己と異なるものを抗原と認識し、特異的に抗体を産生して抗原に対応し処理する一連の防御機構のことをいいます。

免疫応答.png

(2)免疫担当細胞

A)T細胞

・ 骨髄の幹細胞由来のリンパ系の細胞で胸腺に入り、増殖、分化した後末梢のリンパ組織に分布している細胞がT細胞であり、Tは胸腺(Thymus)のTです。

・ T細胞にはヘルパーT細胞(CD4分子を発現)、細胞傷害性T細胞(CD8分子を発現)、制御性T細胞があります。

胸線Tsaibou.png

B)B細胞

・ リンパ系の細胞で骨髄の影響を受けて分化し、末梢リンパ組織に分布しているのがB細胞です。

・ B細胞は抗原刺激を受けると抗体産生を行う形質細胞(けいしつさいぼう)となります。

形質細胞.png

C)マクロファージと樹状細胞

・ マクロファージは骨髄の造血幹細胞由来の単球から分化する細胞で食作用を持ち、異物を貪食、処理します。 マクロファージは抗体、補体に対する受容体を持っており、それらの結合した病原体を貪食します。 この貪食を促進する抗体や補体のことをオプソニンといいます。

・ 樹状細胞(じゅじょうさいぼう)は、分解した抗原をT細胞に提示する代表的な抗原提示細胞(こうげんていじさいぼう)です。 マクロファージやB細胞も抗原提示能を持っています。

D)顆粒球

・ 好中球は、炎症のあるところに集まり、貪食、殺菌作用を示します。

・ ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、抗原の種類に関係なく非特異的に細胞傷害性を示す細胞です。

(3)抗原提示

・ 抗原である異物がマクロファージや樹状細胞に貪食・分解されるとHLAと結合して細胞表面に提示されます。 これを抗原提示といいます。 これをきっかけにその後の細胞性免疫と体液性免疫が発動していくことになります。

抗原提示細胞.png

[設問] 直接、抗体をつくる細胞はどれか?

イ B細胞  ロ ヘルパーT細胞   ハ 細胞傷害性T細胞   ニ 形質細胞

                                    正解 () 

[設問] CD4分子を発現するのはどれか?

イ B細胞  ロ ヘルパーT細胞   ハ 細胞傷害性T細胞   ニ 形質細胞

                                    正解 (

[設問] CD8を発現するのはどれか?

イ B細胞  ロ ヘルパーT細胞   ハ 細胞傷害性T細胞   ニ 形質細胞

                                    正解 (

[設問] マクロファージは、何から分化する細胞か? 一つ選べ。

イ 単球   ロ 好中球   ハ 好酸球   ニ 好塩基球

                                   正解 (

[設問] 抗原提示能を持つのはどれか? 二つ選べ。

イ マクロファージ  ロ 樹状細胞   ハ 好塩基球   ニ 好中球   ホ T細胞

                                  正解 (

[設問] 抗原の種類に関係なく非特異的に細胞傷害を示すのはどれか?

イ 好中球   ロ 好酸球   ハ 好塩基球   ニ NK細胞     正解 (

 

 疾病の成り立ちと回復の促進 第27回(薬剤)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22-1

 


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