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成人看護学(71)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

2)主な看護

(1)ミエログラフィー時の援助

・ ミエログラフィーの目的は、造影剤をクモ膜下腔に注入し、脊柱や脊髄の病変や状態を調べることです。

・ 造影剤としてヨード製剤が使われるため、事前にヨード過敏性テストが行なわれます。

・ 検査前は、嘔吐防止のため絶飲食とします。

・ 腰椎穿刺では、患者は側臥位で膝を抱えさせます。

・ 造影後は、頭部を挙上し、仰臥位になり安静を保つことが必要です。

・ 検査の副作用として、髄膜刺激症状による頭痛、悪心、項部硬直がおこることがあるので、検査前に説明しておきます。

(2)効果的な固定法・牽引法と生活の援助

ギプス固定時の看護.png

・ 牽引では、正しい牽引(肢位、体位、方向、対抗牽引)ができているかどうかも観察が必要です。

(3)ギプス固定・各種牽引療法時の合併症予防

・ ギプス固定前には、患部の清拭・シャワー、創処置、ガーゼの保護をして皮膚の状態の観察を十分に行ないます。

・ ギプス固定前には、ギプスを巻く部位にストッキネットを余裕のある長さでかぶせ、下巻き綿包帯を圧迫創のできやすい骨の部分に厚めにして巻き、褥瘡を予防します。

・ ギプス固定後は、圧迫創発生部位の有無、血行障害の有無、末梢循環の左右差などを観察します。

・ ギプス固定による阻血性拘縮は、前腕と下腿に多いためギプス固定後12時間は頻回に患肢を観察します。

・ ギプス固定後に疼痛、神経麻痺、循環障害がみられたら、速やかにギプスを除去または開窓して、圧迫されていた部位の除圧を行います。

[設問] 小児の上腕骨顆上骨折に合併する前腕屈筋群の疎血による拘宿を何というか?

イ 痙性麻痺

ロ 皮膚性拘縮 

ハ フォルクマン拘縮

ニ 神経性拘縮                         正解 (


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成人看護学(70)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(5)四肢の形状、運動、姿勢、歩行

・ 四肢の形状についての評価は、問診による既往歴、先天性疾患の有無、妊娠・出産状況、遺伝に関する情報を踏まえて行います。

・ 四肢の形状の後天的形態異常は、症状の部位、年齢、職業と関連があるため、それらの情報を得る必要があります。

・ 運動機能の評価では、関節可動域の評価、徒手筋力評価などを行なったうえで、ADLの評価も行い、援助の必要性とその内容を決めます。

歩行周期.png

(6)機能障害の程度と原因

・ 四肢の異常な形状には、先天性形態異常(奇形)、後天性形態異常(変形)があります。

・ 手指の奇形には、合指症、多指症、短指症、欠指症があり、下肢の奇形には、先天性股関節脱臼、内反足などがあります。

・ 関節運動異常には、拘縮、強直、動揺関節があります。

・ 先天性関節拘縮では、先天性内反足が代表的なものです。

・ 強直とは、関節の軟骨、骨、関節包の病変による関節可動域の制限で、拘縮とは、関節そのものでない筋・靭帯などの軟部組織の病変で関節可動域が制限された状態をいいます。

・ 異常歩行には、麻痺性歩行、痙性歩行、失調性歩行、墜下性歩行、逃避性歩行があります。

(7)心身・日常生活への影響

・ 運動機能障害があると、行動制限による心理・社会的問題がおこります。

・ 運動機能障害の発症年齢、発症形式、予後、発症前の性格、知能・才能、身体的依存の程度などによって、おこってくる心理・社会的問題とそれに対する援助内容も異なってきます。

・ 急性期の心理的問題は、障害に対する不安で、慢性期になると、劣等感、依頼心が高まり、社会生活の破綻に対する不安となります。

・ 長期の療養生活によって、病気への逃避、病気の拒絶、自己中心性などの拘禁反応がおこることがあります。 この場合、日常生活の自立が困難となります。

[設問] 正常な歩行では、立脚期(足が地面についている時)と遊脚期(ついていない時)の割合はどれくらいといわれているか?

イ 50:50  ロ 60:40  ハ 70:30  ニ 40:60  ホ 30:70

                                正解 (

[設問] 四肢の後天性形態異常を一つ選べ。

イ 合指症  ロ 多指症  ハ 変形性関節炎  ニ 短指症

                               正解 (

[設問] 関節そのものではなく、筋・靭帯などの軟部組織の病変で関節可動域の制限を何というか?

イ 強剛  ロ 固宿  ハ 強直  ニ 拘縮       

                              正解 (

[設問] 小脳の病変でおこる異常歩行は次のどれか?

イ 麻痺性歩行  ロ 痙性歩行  ハ 失調性歩行  ニ 鶏歩行

                             正解 (

 


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成人看護学(69)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(4)日常生活動作の観察

・ 日常生活動作(ADL)とは、1人の人間が独立して生活するために行なう基本的で各個人に共通した毎日繰り返される一連の身体動作群をいいます。 ADLは、起居、移動、食事、更衣、整容、排泄、入浴、机上などの動作に分類されます。

ADL評価.png

・ 上肢では、手指の運動機能の基本は、つまみ、握りで、巧緻性が重要です。手指運動以外では、起き上がり動作、回内・回外運動、片手動作があります。

・ 体幹・脊柱の運動機能の基本は上肢と頭部の支持です。

・ 下肢の運動機能の基本は、安定した起立と歩行です。

・ 下肢の機能障害があると、起立・歩行障害以外に、排便・排尿動作、入浴動作の障害をきたすことになります。

[設問] 障害者でも健常者と同じように使用できることを目指した装具や施設の設計を何というか?

イ ユニバーサルデザイン

ロ バリアフリー

ハ ノーマライゼーション

ニ ユビキタス                  正解 (

[設問] 代表的な基本的日常生活動作(ADL)の評価法の一つで、13項目からなり、スコアは0~100であるものはどれか? 一つ選べ。

イ FIM(functional independence measure)

ロ バーセルインデックス

ハ JasperのADL評価尺度

ニ カッツインデックス                  正解 (

 


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成人看護学(68)(運動機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

19.運動機能障害をもつ患者の看護

1)観察とアセスメント

(1)四肢長の測定法

・ 四肢長の測定は、四肢の変形、機能障害を客観的に把握するために行ないます。

四肢長.png

(2)関節可動域の測定法

・ 関節可動域(ROM; range of motion)の測定は、関節機能の評価法で、自動・他動の両可動域を測定します。 測定には角度計を用い、軸心・固定軸・移動軸を関節中心・長管骨長軸に一致させて行ないます。

・ 関節可動域測定では、基本肢位を0°として測定します。

・ 股関節屈曲拘縮の程度を知る方法としてトーマス法があります。 これは健側下肢を最大限屈曲させて代償性の腰椎前彎を減少させ、患側の股関節の屈曲の程度を知る方法です。

(3)筋周径の測定法、徒手筋力検査法

・ 周径の測定により筋萎縮・肥大、栄養状態の判定を行ないます。

・ 上腕、前腕、下腿は、ほぼ中央の最大周径部を測定します。

・ 大腿周径は、膝蓋骨の上端から、成人は10cm、小児では5cm上方で測定します。

・ 徒手筋力テストの評価は、全く活動がみられない[0]から正常の[5]までの6段階評価で行ないます。

・ ブルンストロムの評価法は、脳卒中などの中枢性麻痺において協同運動が前面に出て随意運動が思うようにできない場合に用いられます。 評価は、全く随意運動がなく、対側連動運動でも反応しない場合を[1]、動作の速さ、巧みさが正常に近い場合を[6]とした6段階で行ないます。

[設問] 関節可動域を測るときの基本肢位とは次のどれのことか?

イ 気をつけの姿勢で直立した時の肢位

ロ 日常生活動作を行う上で最も支障の少ない肢位

ハ リラックスして仰臥位をとったときの肢位

ニ 座位でリラックスしたときの肢位             正解 (

[設問] ブルンストロムの評価法は何段階で行うか?

イ 4段階  ロ 5段階  ハ 6段階  ニ 7段階

                                    正解 (

 

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成人看護学(67)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(4)遷延性意識障害の看護

・ 看護目標としては、患者の意識レベルアップを図る、関節拘縮を軽減し人間本来の姿勢を保持できる、昼夜のリズムをつける、排泄・食事が少しでも自立に向かう、2次障害を予防する、などが挙げられます。

(5)注意・記憶障害に対応した生活指導

・ 看護者や家族で介助方法やかけ声を統一し、患者の心理的混乱を招かないようにします。

・ 自室、トイレ、食堂などに造花やマスコットなどで目印をつけ、行為の手順を記したものを眼につくところに貼っておくようにします。

目印.png

・ 一人で外出することのないよう注意し、名前と連絡先を書いたカードを杖や車椅子に付けておきます。

・ 火の取り扱いは危険なので、必ず付き添うようにします。

(6)空間失認の生活訓練・環境調整

・ 看護者は患者の無視側に位置し、無視側から話かける。床頭台も無視側に置いて、注意を喚起します。

・ 転落防止のため、無視側のベッド柵は上げておきます。

(7)失語・構音障害の生活訓練と援助

・ はい/いいえの合図を確立し、看護者と家族が同じ方法でコミュニケーションをとるようにします。

・ 患者が話す時は、ゆっくりと聞き、話しやすい雰囲気をつくるようにします。

・ 言語訓練の前後は、ゆっくり休むことができる環境を整えます。

・ 説明や指示はゆっくりと、簡単な言葉で、顔をみて伝えるようにします。 身振り、手振りなど非言語的なコミュニケーションを活用します。 言い間違えは指摘しません。 言語的・非言語的な行動に注意を払い、患者の訴えを察知します。 漢字カードや絵カードを活用するのもよい方法です。

・ 構音障害では、筆談や50音文字表などのコミュニケーション手段を活用します。

[設問] 次の看護の説明で正しいものを一つ選べ。

イ 遷延性意識障害の患者の看護では、昼夜のリズムをつける必要はない。

ロ 認知症では、看護者や家族で、介助方法や掛け声を統一し、患者の混乱を招かないようにする。

ハ 認知症の患者では、自立を促すため、火の取り扱いもなるべく付き添わないようにする。

ニ 空間無視の患者には、無視側と反対側から話しかけるようにする。

                                正解 (

[設問] 失語、構音障害の生活訓練と援助について正しいものを一つ選べ。

イ 話す時は、なるべく速く話すよう促す。

ロ 説明や指示に非言語的コミュニケーションは使わないようにする。

ハ 患者の言い間違えは、その都度指摘していく。

ニ 漢字カードや絵カードも活用していく。

                    正解 ()                     


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成人看護学(66)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

2)主な看護

(1)髄液検査時の援助

・ 髄液採取法には、脳室穿刺法、後頭穿刺法、腰椎穿刺法がありますが、その中で、腰椎穿刺法が最もよく使われます。
・ 腰椎穿刺法では、穿刺部位は、ヤコビー線上の第4腰椎棘突起を目安とし、第3〜4、または第4〜5腰椎間腔とします。

・ 髄液検査の合併症には、脳ヘルニア、髄膜炎、頭痛、神経損傷などがあります。

・ 援助時は、患者の腹側に立ち、患者を抱え込むように介助します。 左側臥位の患者の身体が床に垂直になるようにすることが重要です。 検査終了後は、2時間程安静臥床を行います。

(2)脳血管撮影時の援助

・ 脳血管撮影には、直接経皮的穿刺法と経皮経大動脈カテーテル法(セルジンガー法)があります。

・ 副作用としては、悪心・嘔吐、熱感、蕁麻疹、かゆみなどが多いのですが、重篤なものとしては、呼吸困難、心停止、意識消失などが出現することがあります。

・ 検査前には、造影剤の副作用歴やアレルギー歴についての問診を行ないます。

(3)脳の血腫・腫瘍・動脈瘤手術時の看護

・ 脳出血では血腫除去術、脳腫瘍では腫瘍摘出術、クモ膜下出血ではクリッピング術などがあります。 看護師は、患者の病態と術前の状態、手術内容を把握し、術後おこりやすい問題を予測し、観察・アセスメントを行ないます。

クリッピング.png

[設問] 腰椎穿刺部位の目安となるヤコビー線上にあるのは次のどれか?

イ 第12胸椎棘突起

ロ 第2腰椎棘突起

ハ 第4腰椎棘突起

ニ 第5腰椎棘突起                    正解 (

[設問] 腰椎穿刺時の援助で正しいものを一つ選べ。

イ 患者の背中側に立って行う。

ロ 患者の背中をそらせるように介助する。

ハ 患者の身体が床に垂直になるようにする。

ニ 検査終了後は、なるべく早く臥床を解くようにする。

                   正解 (

[設問] クモ膜下出血に対するクリッピング術後4~14日の間におこることのある合併症は次のどれか? 一つ選べ。

イ 血栓  ロ 再破裂  ハ 髄膜炎  ニ 水頭症  ホ 血管れん縮

                   正解 (
         


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成人看護学(65)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(5)意識障害の程度と原因、日常生活への影響

・ 意識障害は、原因疾患から、脳梗塞、脳出血、脳挫傷、クモ膜下出血、脳炎などによる脳の1次的障害と、低血糖・高血糖、心原性ショック、呼吸不全、肝不全、腎不全、薬物中毒などによる2次的障害に分けられます。

・ 意識障害の原因や程度によって日常生活への影響は異なります。  一般的には、意識障害によって、自己で基本的ニードを充足できなくなります。

(6)注意・記憶障害と心身・日常生活への影響

・ 記憶障害には、直前あったことを忘れる瞬時記憶障害、少し前におこったことを忘れる短期記憶障害、昔のことを忘れる長期記憶障害があります。

・ 見当識障害には、居る場所がわからない「場所の見当識障害」、周りにいる人と自分の関係がわからなくなるという「人の見当識障害」、日付などがわからなくなる「場所の見当識障害」があります。

・ 注意・記憶障害があると、患者のストレスや不安、疲労感が増大することがあり、家庭内・社会的役割が果たせなくなります。

(7)空間認知症害の原因と程度、心身・日常生活への影響

・ 右大脳半球の病変で左半側空間無視がおこることが多く、一般に中大脳動脈領域の脳梗塞でおきます。

空間無視.png

・ 半側空間無視があると、無視側のものにぶつかりやすくなり、食事では無視側の食物を残してしまいます。

(8)言語機能障害の原因と程度、心身・日常生活への影響

・ 構音障害は、球麻痺や仮性球麻痺の症状の1つです。球麻痺は延髄を中心とした病変でおこります。

・ 失語症の一つである運動性失語は、優位半球の前頭葉のブローカ領とその周辺領域の病変でおこり、多くは中大脳動脈領域の脳梗塞や脳出血でおきます。

・ 感覚性失語は、優位半球側頭葉のウエルニッケ領と中側頭回後半部を中心とした領域の病変でおこり、多くは中大脳動脈皮質枝の梗塞によるものです。

・ 言語機能が障害されると、コミュニケーションが困難となり、意思の疎通ができないため、精神的にストレスが強くなります。

[設問] 意識障害の原因疾患として、2次性障害の原因となりうるものはどれか? 一つ選べ。

イ 脳梗塞  ロ 脳腫瘍  ハ 脳炎  ニ 低血糖

                      正解 (

[設問] 球麻痺は次のどの部位の病変でおこるのか?

イ 前頭葉  ロ 小脳  ハ 中脳  ニ 延髄

                      正解 (

[設問] 居る場所、周りにいる人との関係、日付などがわからなくなるのは次のどれか?

イ 健忘  ロ 見当識障害  ハ 相貌失認  ニ 観念失行  ホ 注意障害

                      正解 (

[設問] 脳梗塞の患者が食事を器の左半分だけ残している。この患者の看護で注意すべき点は次のどれか? 一つ選べ。

イ 移動時に左側にあるものにぶつかりやすいことに留意する。

ロ 誤嚥に注意が必要である。

ハ 至急、眼科受診を勧める。

ニ 食器の形状を検討する。        正解 (


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成人看護学(64)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(4)神経学的検査

・ 神経学的検査は、精神機能(高次脳機能を含む)、脳神経、運動機能、反射、感覚機能、協調運動、姿勢・起立・歩行などを検査して、病変の広がり・分布を診断するものです。

・ 失語症の検査は、話す、聴く、読む、書くという4つの方法で行います。  標準失語症テスト(SLTA)は定量的な方法です。

・ 学習している行動や動作が行なえない状態を失行といい、手袋をはめる、マッチで火をつける、シャツを着るなどの動作をしてもらって観察します。

・ 意識レベル、記憶(瞬時・短期・長期)、計算力(100—7→93—7)、見当識(場所、時、人)などを調べます。

・ 脳神経: 嗅神経(においがわかるか?)、 視神経(視力、視野、瞳孔、対光反射などがどうか?)、 動眼・滑車・外転神経(眼球運動はどうか?眼振の有無は?)、 三叉神経(顔面の感覚、咀嚼筋に異常はないか?)、 顔面神経(顔面筋、舌前2/3の味覚に異常はないか?)、 内耳神経(聴覚、平衡覚に異常はないか?)、 舌咽・迷走神経(舌後ろ1/3の味覚、嚥下、構音に異常はないか?)、 副神経(僧帽筋・胸鎖乳突筋に脱力はないか?)、 舌下神経(舌の動きに異常はないか?)の12対の脳神経について評価します。

・ 運動障害は、徒手筋力テスト(MMT)による筋力の評価、筋緊張の異常の有無、不随意運動の有無、運動失調の有無などで評価します。

・ 筋緊張の亢進は、錐体路や錐体外路の障害でおこり、筋緊張の低下は末梢神経や小脳の障害でおこります。

筋緊張評価.png

・ 反射には、表在反射(腹壁反射、角膜反射、咽頭反射)と 深部反射(下顎反射、上腕二頭筋反射、上腕三頭筋反射、橈骨反射、膝蓋腱反射、アキレス腱反射)があり、正常ではみられない病的反射(バビンスキー反射、チャドック反射など)があります。

反射.png

・ バビンスキー反射

バビンスキー反射.png

[設問] 脳神経と機能の組み合わせで正しいものを一つ選べ。

イ 視神経 --- 眼球運動

ロ 滑車神経 --- 視野

ハ 顔面神経 --- 顔面の感覚

ニ 三叉神経 --- 咀嚼

ホ 舌咽神経 --- 舌の動き         正解 (

[設問] 病的反射を二つ選べ。

イ アキレス反射  ロ バビンスキー反射  ハ 上腕二頭筋反射  ニ モロー反射  ホ チャドック反射

                              正解 (



 


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成人看護学(63)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(2)言語の表出と理解の観察

・ 言語障害には、言語中枢が障害されておこる失語症と、音を構成する筋肉の運動障害による構音障害があります。

・ 失語症には、運動性失語(ブローカ失語)と感覚性失語(ウエルニッケ失語)があります。  運動性失語の場合、他人の話す言葉は理解できますが、自分で意識的に話そうとするとうまく話せなくなります。  また、感覚性失語では自分の言葉はなめらかにしゃべれますが、言葉の間違いが多く、他人の言葉が理解できなくなります。

言語中枢.png

(3)環境認知の観察

・ 感覚機能の障害がないのに、形や色、空間など、さまざまな感覚を通じて得た情報について、その内容や意味がわからない状態を失認と呼びます。

・ 失認には、視覚性失認、聴覚性失認、触覚性失認、病態失認があります。  半側空間失認に関しては、失認ではなく無視した状態といわれ、半側空間無視と呼ばれることが一般です。  半側空間無視は、右頭頂葉の頭頂連合野の病変でおこることが多いとされています。

・ ゲルストマン症候群は、手指失認、左右失認、失書、失算を伴った病態のことで、優位半球の頭頂葉病変によりおこります。

[設問] 運動性失語が起るのはどの部位の病変か?

イ 優位半球の前頭葉

ロ 優位半球の後頭葉

ハ 優位半球の側頭葉

ニ 脳幹                    正解 (

[設問] 半側空間無視はどの部位の病変でおこるといわれているか?

イ 左前頭葉  ロ 右前頭葉  ハ 左頭頂葉  ニ 右頭頂葉

                         正解 (

[設問] ゲルストマン症候群の症候の組み合わせを選べ。

イ 失語・空間無視・失算・失読

ロ 手指失認・左右失認・失算・失書

ハ 失語・手指失認・失行・失算

ニ 左右失認・失読・失行・空間無視

                   正解 (


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成人看護学(62)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

18.認知機能・コミュニケーション障害をもつ患者の看護

1)観察とアセスメント

(1)意識障害の診察法

・ 意識障害とは、覚醒度が落ちて、刺激に対する反応が低下または消失している状態をいいます。 

・ 意識障害の判定スケールには、ジャパンコーマスケール(3−3−9度方式)、グラスゴーコーマスケール(GCS)があります。

JCS.png

・ 意識障害の随伴症状として、眼球位置異常、瞳孔異常、対光反射の消失、髄膜刺激症状、呼吸パターンの異常、姿勢異常、呼吸・血圧・脈拍・体温の異常などがあります。

眼球.png

・ 髄膜刺激症状のあるなしは、項部硬直やケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候の有無を観察することで行います。

こうぶ硬直.png

 

・ 異常呼吸パターンには、チェーンストークス呼吸や中枢性過呼吸、失調性呼吸があり、いずれも重篤な状態の時におこるものです。

[設問] 髄膜刺激症状の判定につかわれるものを一つ選べ。

イ チネル徴候  ロ ファーレン徴候  ハ ケルニッヒ徴候  ニ ロンベルグ徴候

                               正解 (

[設問] 脳梗塞などでみられ、一回換気量がしだいに増加し、その後、しだいに減少する呼吸が繰り返される状態を何というか?

イ クスマウル呼吸  ロ ビオー呼吸  ハ 失調性呼吸  ニ チェーンストークス呼吸

                               正解 (

[設問] 脳ヘルニアなどで見られる片眼の瞳孔散大はどの脳神経の障害によるものか?

イ 視神経  ロ 動眼神経  ハ 外転神経  ニ 滑車神経

                              正解 (

 

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