成人看護学(56)(感覚機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(3)平衡感覚検査法
・ 平衡機能検査には、眼振検査、偏倚検査、立ち直り検査があります。
・ 平衡感覚検査は、気分不快を生じることがあるので、検査の前に目的や手順、おこりうる問題などについて必ず説明しておきます。
・ ロンベルグ試験
(4)触覚・味覚・嗅覚の検査法
・ 触覚は、乾綿や筆先で患者の皮膚に触れ、それを感じるかどうかでみることになります。 2点識別覚検査は、2点での圧刺激を分離して感じられる最小刺激間隔をみるもので、触覚計を使って判定します。
・ 味覚検査には、電気味覚検査と濾紙デイスク法検査があります。 味覚は下前2/3が顔面神経、後ろ1/3が舌咽神経支配となっています。
・ 嗅覚検査では、臭い物質を10倍希釈法で薄めていくつかの濃度液をつくっておき、検知閾値をみます。 これが認知閾値となります。 静脈性嗅覚検査では、チアミン(ビタミンB1)を静脈注射し、臭いがし始めた時間や持続時間を測定します。
(5)感覚機能障害の原因
・ 感覚機能障害の原因は、先天性と後天性に分類されます。
・ 後天性には、疾患、治療の副作用、外傷が含まれます。
(6)心身・日常生活への影響
・ 聴覚機能が低下すると、有害事象の音によるサインを把握することができなくなります。
・ 平衡感覚機能が低下すると、転倒・転落の危険性が高まります。
・ 嗅覚・味覚機能が低下すると、有害な食物を摂取する危険性が高まります。
・ 感覚機能の低下により、社会的・文化的な活動に支障を生じます。
[設問] ロンベルグ試験が陽性の場合、次のどれが考えられるか?
イ 小脳障害 ロ 錐体外路障害 ハ 深部感覚障害 ニ 温痛覚障害
正解 (ハ)
[設問] 舌の前2/3の味覚を司る神経は次のどれか?
イ 三叉神経 ロ 顔面神経 ハ 舌咽神経 ニ 舌下神経
正解 (ロ)