SSブログ

成人看護学(58)(感覚機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(3)鼓室形成術の看護

こしつ形成術.png

・ 鼓室形成術の直後は、全身の観察、創部感染、耳痛、めまい、悪心・嘔吐、顔面神経麻痺の有無の確認を行います。 創部が下にならないように指導することも大事です。 シャワー浴は、術後3、4日で可能となりますが、創部の汚染を防ぐようにする必要があります。 術後1週間程度で、抜糸、耳内ガーゼの抜去ができ、退院可能となります。

・ 移植した鼓膜や耳小骨が完全に生着するには、術後1〜3ヶ月程度かかることを説明し、定期的受診を指導しますが、耳痛、めまい、耳漏などの症状が出たら早期に受診するよう説明します。

(4)副鼻腔手術の看護

・ 術前に、術中の出血、痛みなども含めて手術に関する説明を行います。

・ 術中の体動を抑制します。また、出血が咽頭に流れて咳嗽がおこるので飲み込まないように指導します。

・ 術直後の合併症の早期発見のため、眼症状(視力障害、眼球運動障害、眼瞼腫脹)の有無に注意を払います。 また、術後は創部の疼痛やタンポンによる圧迫痛が出ますので、鎮痛薬や抗不安薬の投与がなされます。

・ 術後は、食前にはうがいをし、口腔内の分泌物や汚染物を除去するよう指導します。

・ 術後4〜5日は洗髪、入浴はできないので、その他の方法で清潔を保つように指導します。 また、経上顎洞手術後は歯肉創部の安静のため、歯磨きが不可となりますので、うがいの励行を説明します。

[設問] 次の脳神経の中で、鼓室形成術の術後合併症として障害がみられることがあるのはどれか?

イ 三叉神経  ロ 顔面神経  ハ 舌咽神経  ニ 迷走神経

                       正解 (

[設問] 内視鏡下副鼻腔手術で起こりやすい合併症とされるものを一つ選べ。

イ 目の合併症(視力障害、眼球運動障害、眼瞼腫脹)

ロ 鼓膜損傷

ハ 味覚障害

ニ 咬合障害                   正解 (


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

成人看護学(57)(感覚機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

2)主な看護

(1)光凝固、硝子体手術の看護

・ 蛍光眼底造影および光凝固の術前には、病歴を聴取し、血圧測定後に十分な散瞳を行います。

・ 術中は、悪心・嘔吐、まれにショックをおこすことがあるので、術中、注意深く観察し、早期発見するように努めます。

・ 蛍光眼底造影、光凝固の終了後は、4時間程度羞明感が持続します。 蛍光眼底造影では、試薬に使うフルオレセインのため、6時間程皮膚の黄染、24時間程尿の黄染がおこります。 試薬にインドシアニングリーンが使われると便が緑色になります。 いずれも心配は無用です。

硝子体.png

(2)角膜移植術の看護

・ 角膜は、血管組織がなく拒絶反応がほとんどないため術後の視力回復が望めます。

・ 角膜移植はドナーが急に見つかり、緊急入院が必要なことが多いため、精神的緊張が高くなります。 患者の心理・社会的不安を受け止め、安心して手術が受けられるよう声かけをして援助します。

・ 角膜手術の合併症として、乱視、感染、出血、網膜剥離、白内障などがあります。 これらの多くは、術後1年以内におこります。

・ 術後、角膜上皮は1〜4日で治癒しますが、十分な生着までは眼帯を着用してもらいます。 その後も数ヶ月は眼鏡着用し、就眠時にはメタルシールドで眼を保護します。

・ 術後1週間で、シャワー浴が可能となり、翌日からの生活制限はありませんが、重い荷物の持ち運びは避けるように指導します。

・ 視力は徐々に回復していきますが、完全回復には数ヶ月から1年程かかることもあるので、説明しておきます。

・ 眼充血、羞明感、視力減退、眼痛、光の点滅、などがある時は、拒絶反応や縫合不全の可能性があるので、ただちに受診するよう説明しておきます。

[設問] 蛍光眼底造影で使われるフルオレセインのために起るのはつぎのどれか?一つ選べ。

イ 尿の黄染  ロ 尿の緑染  ハ 便の緑染  ニ 皮膚の緑染

                           正解 (

[正解] 角膜移植術後の角膜上皮の治癒に要する期間は次のどれか?

イ 1日以内  ロ 1~4日間  ハ 5~10日間  ニ 14~21日間

                          正解 (

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び