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成人看護学(67)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

(4)遷延性意識障害の看護

・ 看護目標としては、患者の意識レベルアップを図る、関節拘縮を軽減し人間本来の姿勢を保持できる、昼夜のリズムをつける、排泄・食事が少しでも自立に向かう、2次障害を予防する、などが挙げられます。

(5)注意・記憶障害に対応した生活指導

・ 看護者や家族で介助方法やかけ声を統一し、患者の心理的混乱を招かないようにします。

・ 自室、トイレ、食堂などに造花やマスコットなどで目印をつけ、行為の手順を記したものを眼につくところに貼っておくようにします。

目印.png

・ 一人で外出することのないよう注意し、名前と連絡先を書いたカードを杖や車椅子に付けておきます。

・ 火の取り扱いは危険なので、必ず付き添うようにします。

(6)空間失認の生活訓練・環境調整

・ 看護者は患者の無視側に位置し、無視側から話かける。床頭台も無視側に置いて、注意を喚起します。

・ 転落防止のため、無視側のベッド柵は上げておきます。

(7)失語・構音障害の生活訓練と援助

・ はい/いいえの合図を確立し、看護者と家族が同じ方法でコミュニケーションをとるようにします。

・ 患者が話す時は、ゆっくりと聞き、話しやすい雰囲気をつくるようにします。

・ 言語訓練の前後は、ゆっくり休むことができる環境を整えます。

・ 説明や指示はゆっくりと、簡単な言葉で、顔をみて伝えるようにします。 身振り、手振りなど非言語的なコミュニケーションを活用します。 言い間違えは指摘しません。 言語的・非言語的な行動に注意を払い、患者の訴えを察知します。 漢字カードや絵カードを活用するのもよい方法です。

・ 構音障害では、筆談や50音文字表などのコミュニケーション手段を活用します。

[設問] 次の看護の説明で正しいものを一つ選べ。

イ 遷延性意識障害の患者の看護では、昼夜のリズムをつける必要はない。

ロ 認知症では、看護者や家族で、介助方法や掛け声を統一し、患者の混乱を招かないようにする。

ハ 認知症の患者では、自立を促すため、火の取り扱いもなるべく付き添わないようにする。

ニ 空間無視の患者には、無視側と反対側から話しかけるようにする。

                                正解 (

[設問] 失語、構音障害の生活訓練と援助について正しいものを一つ選べ。

イ 話す時は、なるべく速く話すよう促す。

ロ 説明や指示に非言語的コミュニケーションは使わないようにする。

ハ 患者の言い間違えは、その都度指摘していく。

ニ 漢字カードや絵カードも活用していく。

                    正解 ()                     


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成人看護学(66)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]

2)主な看護

(1)髄液検査時の援助

・ 髄液採取法には、脳室穿刺法、後頭穿刺法、腰椎穿刺法がありますが、その中で、腰椎穿刺法が最もよく使われます。
・ 腰椎穿刺法では、穿刺部位は、ヤコビー線上の第4腰椎棘突起を目安とし、第3〜4、または第4〜5腰椎間腔とします。

・ 髄液検査の合併症には、脳ヘルニア、髄膜炎、頭痛、神経損傷などがあります。

・ 援助時は、患者の腹側に立ち、患者を抱え込むように介助します。 左側臥位の患者の身体が床に垂直になるようにすることが重要です。 検査終了後は、2時間程安静臥床を行います。

(2)脳血管撮影時の援助

・ 脳血管撮影には、直接経皮的穿刺法と経皮経大動脈カテーテル法(セルジンガー法)があります。

・ 副作用としては、悪心・嘔吐、熱感、蕁麻疹、かゆみなどが多いのですが、重篤なものとしては、呼吸困難、心停止、意識消失などが出現することがあります。

・ 検査前には、造影剤の副作用歴やアレルギー歴についての問診を行ないます。

(3)脳の血腫・腫瘍・動脈瘤手術時の看護

・ 脳出血では血腫除去術、脳腫瘍では腫瘍摘出術、クモ膜下出血ではクリッピング術などがあります。 看護師は、患者の病態と術前の状態、手術内容を把握し、術後おこりやすい問題を予測し、観察・アセスメントを行ないます。

クリッピング.png

[設問] 腰椎穿刺部位の目安となるヤコビー線上にあるのは次のどれか?

イ 第12胸椎棘突起

ロ 第2腰椎棘突起

ハ 第4腰椎棘突起

ニ 第5腰椎棘突起                    正解 (

[設問] 腰椎穿刺時の援助で正しいものを一つ選べ。

イ 患者の背中側に立って行う。

ロ 患者の背中をそらせるように介助する。

ハ 患者の身体が床に垂直になるようにする。

ニ 検査終了後は、なるべく早く臥床を解くようにする。

                   正解 (

[設問] クモ膜下出血に対するクリッピング術後4~14日の間におこることのある合併症は次のどれか? 一つ選べ。

イ 血栓  ロ 再破裂  ハ 髄膜炎  ニ 水頭症  ホ 血管れん縮

                   正解 (
         


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