成人看護学(77)(排泄機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
20.排泄機能障害を持つ患者の看護
1)排泄機能障害の観察とアセスメント
(1)排尿パターン・動作・行動・尿性状の観察
・ 尿意は膀胱内に尿が100〜150mL貯まると感じ始め、300mLになると強い尿意となります。
・ 正常な尿は淡黄色〜黄褐色で透明です。
・ 尿に血液が混じると血尿といい、眼で見たわかる時は肉眼的血尿、沈渣を調べてはじめてわかる場合顕微鏡的血尿といいます。
・ 尿に多数の白血球が混入した場合、黄白色となり、膿尿といい、腎・尿路系の感染症がある場合にみられます。
・ 尿にリンパ液が混入した状態を乳ビ尿といいます。
・ 尿比重は正常では1.015〜1.025で、尿の希釈・濃縮状態を知ることができます。 pHは通常は5〜7で酸性で、採尿後放置するとアルカリ性になります。
(2)排尿状態、一般尿検査、尿流量動態検査
・ 尿流動態検査とは、膀胱内への蓄尿、排尿に関する機能を調べる検査で、尿流測定、膀胱内圧測定、尿道内圧測定、尿道外括約筋筋電図測定などがあります。
・ 尿流測定は、1秒あたりの排尿量を測定するもので、ロート型の集尿器に排尿すると、自動的に最大尿流率、平均尿流量率などが算出されます。
・ 膀胱内圧測定は、尿道からカテーテルを挿入し、膀胱内に生理食塩水を徐々に入れていき、膀胱内の圧を測定する検査です。
[設問] 尿意を感じ始めるのは一般に膀胱内の尿量がどれくらいの時か?
イ 30~50ml ロ 50~100ml ハ 100~150ml ニ 150~300ml
正解 (ハ)
[設問] フィラリア症などでみられる異常な尿所見は何というか?
イ 血尿 ロ 膿尿 ハ 混濁尿 ニ 乳び尿
正解 (ニ)
[設問] 正常な尿比重はどれくらいか?
イ 1.005~1.015
ロ 1.015~1.025
ハ 1.025~1.035
ニ 1.035~1.045
正解 (ロ)
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