成人看護学(78)(排泄機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(3)蓄尿・尿排泄障害の程度と原因
・ 蓄尿、尿排泄障害の主な症状には、頻尿、尿失禁、排尿困難があります。
・ 頻尿とは、排尿回数が1日8〜10回以上に増加した状態をいいます。 頻尿が夜間に集中するのを夜間頻尿といいます。
・ 頻尿の原因には、膀胱容量の減少、膀胱粘膜の刺激、排尿筋の無抑制収縮などがあります。
・ 尿失禁とは、尿が無意識または意思に反して、漏れる状態をいいます。
・ 排尿運動を調節する神経系の障害によっておこる蓄尿・排尿障害の病態を神経因性膀胱といいます。
(4)心身・日常生活への影響
・ 残尿が多くなると、尿路感染をおこしやすくなります。 また、残尿が増えると、膀胱が過伸展をおこし、収縮力が減退し、ますます排尿しにくくなり、悪循環に陥ります。
・ 残尿が続くと、尿管内で尿が停滞し、水腎症、腎不全の危険性があります。
・ 夜間の頻尿や、尿失禁があると睡眠不足の原因となります。
・ 排尿の自立の喪失は、自尊心の低下へとつながることになります。
[設問] 頻尿の原因となるものを二つ選べ。
イ 脱水 ロ 前立腺肥大症 ハ 尿路感染症 ニ 低血圧 ホ 腎不全
正解 (ロ、ハ)
[設問] 加齢などが原因となる、咳やくしゃみなどでおこる尿失禁は次のどれか?
イ 腹圧性尿失禁
ロ 切迫性尿失禁
ハ 溢流性尿失禁
ニ 真性尿失禁 正解 (イ)