成人看護学(79)(排泄機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
2)排尿機能障害への主な看護
(1)尿流量動態検査、膀胱鏡検査時の看護
・ 患者の緊張をほぐし、羞恥心に配慮することが重要です。
・ 検査時は、無菌操作に努めます。
・ 硬性鏡が使用されることが多く、患者は下半身を脱衣し、検査台で截石位をとります。
・ 膀胱鏡検査後には、出血に注意します。
・ 膀胱鏡検査後は数日間、膀胱刺激症状(下腹部不快感、排尿痛、残尿感)が残ることを説明し、水分を十分にとり、尿量を増やすようにします。
(2)尿路変更術後の合併症予防と生活指導(尿路ストーマ造設術患者中心に)
・ 腎臓で生成された尿を、生理的な経路を通らずに、病変部より上流で体外に誘導する方法を尿路変更といいます。 皮膚瘻造設術や回腸導管などがあります。
・ 膀胱全摘術+回腸導管術を受けた患者では、循環不全や栄養状態の低下があると、術後早期にストーマ壊死をおこすことがあるので、ストーマの色や大きさの変化に注意します。
・ ストーマ周囲の皮膚の状態に合ったパウチを選択し、皮膚障害(びらん、発赤)や尿漏れをおこさないようにします。
・ 患者がストーマ造設によるボデイイメージの変化を無理なく受容できるように、十分な時間をかけながらストーマケアの自立を促します。
・ 退院後は、イレウス予防のため排便のコントロールが重要です。 また、結石や尿路感染予防のため、水分摂取を指導します。
・ 尿路ストーマ造設術を受けた患者は、身体障害者福祉法の適用、障害年金の受給が認められます。
[設問] 膀胱鏡検査で患者がとる体位はどれか?
イ 載石位 ロ 仰臥位 ハ 腹臥位 ニ 側臥位
正解 (イ)
[設問] 尿管を十数センチの腸管セグメントに吻合し、腸管を介して腹壁にストーマを作成し、安定した尿路ストーマが形成されるのは次のどれか?
イ 腎瘻 ロ 尿管皮膚瘻 ハ 膀胱瘻 ニ 回腸導管
正解 (ニ)