過去問を考えてみよう(2857) [過去問解析]
次の文を読み2857~2859の問いに答えよ。
Aさん(61歳、男性、会社員)はデスクワーク中心の仕事をしている。今朝、職場へ出勤したが、自分の机の位置や同僚の名前が分からない等の見当識障害があり、同僚に付き添われ救急外来を受診した。頭痛、嘔吐、めまいはない。
現病歴:4年前に2型糖尿病と診断され、経口糖尿病薬が開始された。1年前から受診を自己判断で中断している。
身体所見:身長170cm、体重100kg。体温38.6℃、呼吸数22/分、整、血圧108/64mmHg。対光反射(+)、瞳孔不同(-)。歩行可能。右第1趾に発赤、腫脹、異臭がある。
検査所見:白血球19,200/μL、血糖904mg/dL、Na131mEq/L、K3.4mEq/L、ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉9.2%、アンモニア49μg/dL、CRP22mg/dL。動脈血液ガス分析pH7.32。血漿浸透圧394mOsm/L。尿ケトン体(±)。
2857. Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1.肝性脳症
2.小脳出血
3.ケトアシドーシス〈DKA〉
4.高浸透圧高血糖状態〈HHS〉
正解(4)
[解説]アンモニアの値は正常値で、肝性脳症は否定され、1は×。頭痛、めまいなどなく、小脳出血は否定でき、2も×。動脈血のpHは7.32であり、ケトアシドーシスは否定され、3も×。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]血漿浸透圧の正常値に最も近いのはどれか。
イ.255mOsm/L
ロ.265mOsm/L
ハ.275mOsm/L
ニ.285mOsm/L 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「96~99%」でした。