基礎看護学(4)(看護の概念) [基礎看護学]
5)看護倫理
(1)患者の権利
・ 医療法には、患者の生命権や幸福追求権が規定されています。
・ 患者の生命権や幸福追求権がうまく機能するには、自己決定がうまく機能しなければなりません。そのためにインフォームドコンセントは不可欠となります。
(2)患者のプライバシー権
・ 患者のプライバシー権は、個人の権利とほぼ同義語として用いられます。 それは、各個人は私生活上、自由であり、他者から干渉されないということになります。
・ プライバシーの保護とは、単なる守秘義務ではなく、個人情報のコントロール権も含まれるものです。 患者は自分自身の医療情報へのアクセス権を持ち、収集の停止などのコントロールの権利も有することになります。
・ 個人情報保護法は2003年に成立しました。 この法律は1980年のOECDのプライバシーガイドラインを基本としています。
(3)看護師の倫理規定
・ 看護師の倫理規定は、国際看護師協会(1964年)、アメリカ看護師協会(1988年)、日本看護協会(1967年・2003年改変)、国際助産師連盟(1999年)などがあって、専門職としての責務や倫理的規範が記載されています。
・ 日本看護協会の看護師の倫理規定は、看護師の倫理的な規範を示すもので、看護師の4つの基本的責任と看護のニーズがあらゆる人々に普遍的であること、看護の本質と看護ケアはどんな制約も受けないこと、これらを実践する看護師はあらゆる人々と連携を図るなどが述べられています。
[設問] 充分なインフォームドコンセントの実施と思われるものを一つ選べ。
イ 治療法の副作用にしぼって十分説明し、患者さんの承諾を得た。
ロ ガイドラインに沿った治療なので、特に説明をせずに治療を行った。
ハ 患者さんが「先生に全部お任せします」と言われたので、医療者側で治療法を決めた。
ニ 患者さんに治療の利点、副次作用、代替治療など十分な説明をし、同意を得たが、いつでも同意は撤回できることを付け加えた。
正解 (ニ)
[設問] 1981年に採択された患者の権利に関する宣言は次のどれか?
イ ヘルシンキ宣言
ロ 患者の権利章典に関する宣言
ハ リスボン宣言
ニ ニュールンベルグ宣言 正解 (ハ)
コメント 0