成人看護学(49)(生体防御機能の障害を持つ患者への看護) [成人看護学]
2)免疫機能異常の看護
(1)骨髄穿刺時の援助
・ 骨髄検査には、骨髄液を採取し造血機能を評価する骨髄穿刺と、生検針で骨髄を採取し病理組織検査を行う骨髄生検があります。
・ 骨髄検査は、消毒を行い皮下組織の局所麻酔と骨膜・骨質を十分麻酔したのちに、穿刺針や生検針が挿入されます。
・ 骨髄液採取時の疼痛・違和感に対する麻酔は無効なので、あらかじめ採取時の不快感を説明し、採取時は声かけをして患者の不安をとり協力を得るようにします。
・ 骨髄穿刺と骨髄生検後は安静にし、穿刺部を15〜20分間十分に圧迫し、止血したことを確認します。 また、検査後の当日はシャワーを浴びず、その後は、痂皮の形成を確認し、痂皮が落ちないようにしてシャワーを浴びるよう指導します。
(2)骨髄移植、幹細胞移植術の援助
・ 造血幹細胞移植の前処置期間は、化学療法と放射線療法、その支持療法などにより、さまざまな合併症、副作用がみられます。
・ 看護では、症状・検査結果などの観察により、副作用・合併症を早期発見すること、全身を清潔にすること、苦痛の緩和の援助が必要となります。
・ 無菌室に入室するには、ガウン、帽子、マスクを着用し、準備室で手洗いを入念にします。
・ 患者は無菌室に隔離されているため、患者・家族が安定した精神状態と前向きな治療への意欲が維持できるよう、十分なコミュニケーションを持ち、信頼関係を築くようにします。
・ 移植の適応の判断では、治療の効果、病状の進行、ドナーの有無が重要な条件となります。 ドナーの負担を含め、患者だけでなく家族に対しても移植に関する十分な説明と理解が必要となります。
・ レシピエントである患者の移植の決定、およびドナーの造血幹細胞の提供は、自由意志で行ってもらい、さらにセカンドオピニオンを得ることを勧めます。
・ バンクドナーの検索は経済的負担を伴いますので、医療社会福祉士などへの相談や社会資源の援助などを説明します。
・ ドナーとレシピエントはお互い直接知り合えないように保護されています。
[設問] 骨髄検査について正しいものを一つ選べ。
イ 骨髄検査で、骨髄液を採取し、病理組織検査を行うのを、骨髄穿刺という。
ロ 骨髄検査では、消毒は行うが、一般に局所麻酔は行わない。
ハ 骨髄液採取時の疼痛・違和感に対する麻酔は無効である。
ニ 骨髄穿刺後に安静は必要ない。 正解 (ハ)
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