成人看護学(50)(生体防御機能の障害を持つ患者への看護) [成人看護学]
(3)膠原病の生活指導と援助
・ 膠原病の増悪因子である過労、感染、ストレス、寒冷、紫外線などを回避させます。
・ 再燃時の徴候として、発熱、関節痛、皮膚症状、筋痛、脱力、レイノー症状などがあることを患者に説明しておきます。
・ 適度な活動と安静のバランスがとれるように指導します。
・ 服薬指導では、自己判断で中止しないように指導します。
・ ステロイドや免疫抑制剤などの投与が行われ、その副作用で易感染状態にあるので、感染予防行動を指導します。
・ 定期的な受診の重要性を説明しておきます。
・ 慢性関節リウマチ患者では、関節の変形・拘縮がおこるため、自助具や補助具の活用と、関節の可動性と筋力の維持のため適度な運動を行うよう指導します。
・ 全身性硬化症患者では、手指の皮膚潰瘍に2次感染がおきやすいので、清潔を保つよう指導し、家事のとき洗剤の使用は避けるようにしてもらいます。
(4)アレルギー疾患の生活指導と援助
・ アレルゲンが何か、回避するにはどうすればよいのか、などを指導します。
・ ステロイド内服が行われている時は、易感染状態であることを説明し、感染予防行動を指導します。
・ 生活面で、過労やストレスを避けるように指導します。
・ 気管支喘息では、空気汚染のある場所を避け、感染予防を指導します。
・ アレルギー性鼻炎では、外出時のマスクや眼鏡の使用で予防してもらい、季節がわかっていれば、予防あるいは症状軽減のための服薬を指導します。
・ アトピー性皮膚炎では、皮膚の保護と2次感染の予防に注意を払ってもらいます。
・ シックハウス症候群では、空気清浄機の使用や定期的な換気によって対応してもらいます。
(5)HIV感染症/エイズの生活指導と援助
・ HIV感染症に関する知識や経過、治療方法、感染経路などについて理解できるよう促し、定期受診や抗HIV薬の内服の必要性を説明し、服薬の方法は、生活パターンに合うように主治医と相談して調整します。 抗HIV薬の副作用についても十分に説明しておくようにします。
・ カウンセリングや社会資源の活用についても説明します。
・ 他人への2次感染を防ぐため、歯ブラシやカミソリは共用しないこと、性行為時はコンドームを使うこと、妊娠・出産に関しても知っておくべきことを説明しておきます。
・ 日和見感染症の症状、感染予防行動などについての指導を行う。
[設問] 紫外線が増悪因子になる膠原病は次のどれか? 一つ選べ。
イ SLE ロ 慢性関節リウマチ ハ 高安病 ニ 全身性硬化症
正解 (イ)
[設問] エイズなどの免疫不全状態で起こりやすいものは次のどれか? 一つ選べ。
イ 心筋梗塞 ロ 脳出血 ハ 高脂血症 ニ 日和見感染 ホ メタボリック症候群
正解 (ニ)
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