過去問を考えてみよう(352) [過去問解析]
次の文を読み352~354の問いに答えよ。
Aさん(35歳、女性)は、右肋骨の骨折で2日前に整形外科病棟に入院した。 上半身に多数の内出血のあとがあり、受け持ち看護師がAさんに話を聞いた。 Aさんは、夫は機嫌が悪いと暴力を振るい、時には投げ飛ばすこともあり、今回も夫に殴られて骨折したと話した。 Aさんは、毎日面会に来る夫に非上におびえており「今話したことは夫には絶対に言わないでほしい。 骨折の処置だけにしてください」と言う。 Aさんは専業主婦で夫と2人で暮しており、近くに親類や知り合いはいない。
352. 受け持ち看護師の対応で適切なのはどれか。 (2014年午前出題)
1. 夫にも事情を確認する。
2. 夫の暴力について今後は話題にしない。
3. Aさんから夫の暴力をやめるように伝えることを勧める。
4. 病院から警察に通報する必要があることをAさんに伝える。
正解 (4)
[解説] 医師を含む医療関係者は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」によって、努力義務が課せられています。1は新たなDVを引き起こす要因となる可能性が高く×。 2は努力義務を果たしていないことになるので×。 3はノー天気な助言で×。 正解は4。
[補足1] 『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』第六条に、「2 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見した時は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報することができる。 この場合において、 その者の意思を尊重するよう努めるものとする。」 「4 意思その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供するよう努めなければならない。」とあります。
次の設問に挑戦してください。
[設問] 医療従事者が、業務中、配偶者による暴力による負傷患者を見つけた時、それを通報できるのは次のどれか。 二つ選べ。
イ. 警察官
ロ. 配偶者暴力相談支援センター
ハ. 市町村福祉課
ニ. 都道府県衛生部
ホ. 保健所
正解 (イ、ロ)
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