過去問を考えてみよう（471）

次の文を読み471～473の問いに答えよ。

Aさん（40歳、男性）は、大学1年生のときに統合失調症（schizophrenia）を発症し、精神科病院に20年入院している。今回、退院して両親と同居することになった。　入院中は定期的に作業療法に参加しており、日常生活は自立している。　服薬は自己管理となっているが、時々飲み忘れることがある。

471．　Aさんは1週間後に退院する予定だが「退院したら薬を飲むのはやめようかな」と看護師に話すことがある。　時々幻聴に関して訴えがあり、睡眠が不規則になる。　退院後Aさんが利用するサービスで最も適切なのはどれか。　　　（201４年午後出題）

１．　訪問介護

２．　精神科作業療法

３．　精神科訪問看護

４．　訪問リハビリテーション

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正解　（3）

[解説]　介護は必要な状態ではなく１は×。　日常生活は自立しておりさらに精神科作業療法は不要と思われ、２は×。　訪問リハビリテーションの対象になると思えず、４も×。　いま必要なのは、精神科訪問看護で服薬指導と状態把握を含めた生活支援と思われ、正解は3。　

［補足］　精神科訪問看護とは、医師の指示の下、看護師、精神保健福祉士、作業療法士が患者宅を訪問して、地域での生活支援を行うものです。　薬の管理が難しい、閉じこもりがある、外出が困難、他人とのコミュニケーションに障害があるなどの場合が対象となります。　ですから、その目的は、再発予防と生活支援、社会資源の活用の支援ということになるかと思います。

次の設問に挑戦してください。

［設問］　精神科訪問看護で行わないのはどれか。

イ．　服薬管理

ロ．　役所での手続き支援

ハ．　体調の把握

ニ．　患者宅の清掃

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正解　（ニ）

タグ：国家試験 看護 精神科訪問看護