過去問を考えてみよう(655) [過去問解析]
655.交通事故で腰椎骨折(lumber vertebrae fracture)し、第1腰髄節レベルで脊髄を損傷した。受傷当日にみられる症状で可能性が高いのはどれか。 (2012年午後出題)
1. 尿閉
2. 血圧上昇
3. 頭蓋内圧亢進
4. 麻痺性呼吸障害
正解 (1)
[解説] 腰髄以下のレベル、仙髄には排尿筋と外尿道括約筋を支配する下部排尿中枢があるので尿閉が起きます。 正解は1。
[補足] 排尿筋(膀胱平滑筋)を支配するのは骨盤神経の中の副交感神経で中枢は仙髄S2~S4レベルにあります。 外尿道括約筋を支配するのは陰部神経つまり体性神経で中枢はやはり仙髄S2~S4にありますが、そこはオヌフ核と呼ばれています。 また、内尿道括約筋と排尿筋を支配するのは交感神経である下腹神経で、その中枢は胸腰髄のTh11~L2のレベルにあります。 排尿は副交感神経によって排尿筋が収縮することによって起き、交感神経による膀胱の弛緩と内尿道括約筋の収縮によって畜尿が起きます。 陰部神経支配の外尿道括約筋の収縮も畜尿には必要で、排尿時には反射性に弛緩することになります。
次の設問に挑戦してください。
[設問] 排尿時に排尿筋を収縮させるのはどれか。
イ. 骨盤神経
ロ. 下腹神経
ハ. 陰部神経
ニ. 反回神経
正解 (イ)
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