過去問を考えてみよう(930) [過去問解析]
次の文を読み930~932の問いに答えよ。
Aさん(65歳、男性、会社員)は、午後2時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-3、瞳孔径は両側2.0mm。呼吸数18/分、脈拍60~80/分、不整で、血圧176/100mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後4時、Aさんの頭部CTの所見で特に異常は認められなかったが、MRIの所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。
930. この後の治療でまず検討されるのはどれか。
1.血流の再開
2.脳浮腫の予防
3.出血性素因の除去
4.脳血管攣縮の治療
正解(1)
[解説] 発症の仕方、症状から、脳梗塞で、不整脈もあり、脳塞栓症の可能性もありますが、発症2時間ですから、超急性期の治療ができる可能性があります。 よって、正解は1。
[補足]脳梗塞の超急性期の治療(組織プラスミノーゲン活性化因子による血栓溶解療法)が可能な、発症後からの時間帯は、当初は3時間以内となっていましたが、2012年8月からは発症4時間半以内となっています。
次の設問に挑戦してください。
[設問]脳梗塞の超急性期治療に使われるのはどれか。
イ.アスピリン
ロ.ワーファリン
ハ.アルガトロバン
二.組織プラスミノーゲン活性化因子 正解(二)
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