過去問を考えてみよう(1423) [過去問解析]
次の文を読み1423、1424の問いに答えよ。
Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテル挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。
既往歴: 特記すべきことはない。
身体所見: ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。
検査所見: Hb 16.8g/dL, Ht48.6%, Na 130mEq/L, K 6.5mEq/L, Cl 100 mEq/L, クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000 IU/L, 尿素窒素 60 mg/dL, クレアチニン 2.4 mg/dL, AST〈GOT〉70 IU/L, ALT〈GPT〉88 IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化なく、洞性頻脈を認めた。
1423.このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。
1.貧血である。
2.筋肉が傷害されている。
3.致死性不整脈が出現しやすい。
4.心原性ショックを起こしている。
5.利尿薬の使用が必要な状態である。
正解(2、3)
[解説]ヘモグロビンの値をみると貧血とは思えず、1は×。体温低下もみられずショックとは思えず、4も×。利尿薬投与は脱水症状を起こしやすくて熱中症は悪化すると思われ、5も×。 正解は、2と3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]熱中症の分類で、最も重症なのはどれか。
イ.熱けいれん
ロ.熱失神
ハ.熱疲労
二.熱射病 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「ヒヤリ・ハット(インシデント)」でした。
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