人体の構造と機能 第6回(細胞の構造と機能) [人体の構造と機能]
(2)DNAとRNA
・染色体は遺伝子の集まりですが、その最小単位をヌクレオチドといいます。これは糖の一種であるデオキシリボースとリン酸、それと塩基の3つからなる構造物です。これがDNA分子ということになります。
・さて、その塩基には種類があります。アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類です。この4種類のうち3個の塩基が連なったものを遺伝暗号(コドン)といい、この1つが1つのアミノ酸に対応しています。
・遺伝子というのは、ある蛋白をつくるのに必要なコドンの連なりのことで、ゲノムというのは、その生物が持つ遺伝情報すべてを指す言葉です。
・それから、このDNAはばらばらになっているのではなく、ヒストンという糸巻きの芯のようなものに巻きつく形で染色体に収納されています。
・蛋白の合成は、DNAの一本の鎖を鋳型にしてRNAポリメラーゼの作用で伝令型RNA(mRNA)ができることから始まります。この過程を、転写といいます。
・RNAとは、DNAと違い、糖がリボースでそれとリン酸、塩基の3つからなるもので、塩基もDNAと同じく4種類ありますが、DNAにはチミン(T)がありますが、RNAの場合は、ウラシル(U)がこれに替わります。mRNAはまさにDNAのコピーで、これを元に、運搬RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)という別種のRNAの助けを借りて、核の外にあるリボソームで蛋白を合成させます。そして、塩基配列がアミノ酸配列に置き換えられる過程を翻訳と呼びます。
[設問] 4種類の塩基のうち、3個の塩基からなるものを何というか?
イ ヌクレオチド ロ ヒストン ハ コドン ニ ゲノム
正解 (ハ)
コメント 0