人体の構造と機能 第19回(消化器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
《機能と生理》
A)胃の役割
・食道を経て嚥下された食物を数時間貯留させ消化します。胃液の酸には、殺菌作用、腐敗防止能があります。
B)胃液
・固有胃腺は胃底と胃体にあり、粘液、塩酸、ペプシノーゲンを分泌しています。
・噴門腺と幽門腺は粘液を分泌しています。
・胃液の量は、1日あたり1.5~2.5Lで、pHは1~1.5の範囲にあります。
・ペプシノーゲンを分泌するのは、固有胃線の中の主細胞で、傍(壁)細胞が塩酸を、副細胞が粘液を分泌しています。
・ペプシノーゲンは塩酸の作用でペプシンに変わり、蛋白質を分解してポリペプチドにし、小腸での分解を助けています。
・幽門部の傍(壁)細胞からは、内在因子が分泌されます。ビタミンB12はこの内在因子と結合したあと小腸で吸収されることになります。ですから、胃切除などで内在因子が不足すると、ビタミンB12の吸収が減り、悪性貧血がおこることになります。
・幽門部の粘膜のG細胞からは、消化管ホルモンであるガストリンが分泌されており、このガストリンは吸収されて血中に入ると固有胃腺を刺激して胃液の分泌を亢進させます。
・胃液の分泌亢進には、頭相(視床下部を介して)、胃相(食道から食物が胃に入ることで)、腸相(胃から食物が腸に排出されることで)の3つの機転があります。
[設問] 胃液のpHは次のうちどれか?
イ 1 ~ 1.5
ロ 2 ~ 2.5
ハ 3 ~ 3.5
ニ 4 ~ 4.5 正解 (イ)
[設問] 胃幽門のG細胞から分泌され、胃液の分泌を亢進させるホルモンは次のうちどれか?
イ セクレチン
ロ ガストリン
ハ コレチストキニン
ニ ソマトスタチン
正解 (ロ)
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