人体の構造と機能 第20回(消化器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(5)小腸
《構造》
A)小腸の長さ
・小腸は、約2.6mの長さがあり、十二指腸以外は、腸管膜で後腹壁に緩く固定されていて、腹腔内に巻くように納まっています。
B)小腸の3つのパート
・小腸は、十二指腸、空腸、回腸の3つのパートからなり、回盲弁で大腸につながっています。回盲弁は大腸から小腸への逆流を防ぐ役目をしています。
C)十二指腸
・十二指腸は約25cmで、大部分は脊柱の右側にあり、腹膜後間隙に位置し、膵臓の頭部(膵頭)をC字状に取り囲んでいます。
・十二指腸は、上部、下行部、水平部、上行部に区別されます。上部の起始部は拡張して球部とも呼ばれ、下行部には大十二指腸乳頭がありますが、これはオッディの括約筋のために生じた高まりです。この大十二指腸乳頭に膵管が開口しています。
D)空腸と回腸
・十二指腸の後ろにある小腸は、前2/5が空腸で、後ろ3/5が回腸と呼ばれます。
・十二指腸から空腸に移行するところに腹膜のヒダであるトライツ靭帯があって、上部消化管と下部消化管の境目になっています。
[設問] 小腸について正しい記載を一つ選べ。
イ 小腸は前1/2が空腸で、後ろ1/2が回腸である。
ロ 十二指腸球部には十二指腸乳頭がある。
ハ 小腸は、すべて、後腹壁に腸管膜で固定されている。
ニ 十二指腸から空腸に移行するところにはトライツ靭帯があり、上部消化管と下部消化管に分けている。
正解 (ニ)
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