人体の構造と機能 第26回(消化器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(8)胆道(たんどう)
《構造》
・胆道は肝臓から出る肝管(かんかん)、それと合流する胆嚢管(たんのうかん)、合流後の総胆管と胆嚢からなり、総胆管は膵臓から出る膵管と合流して十二指腸へとつながっています。
・胆嚢は、肝臓の下面にあって、長さが6~12cm、幅が4~6cmの西洋梨様の形をした袋で、40~70mlの胆汁を入れることができます。
《機能と生理》
・胆道は肝臓から排出される胆汁が十二指腸へ流れる流路となっています。
・胆嚢は、胆汁濃縮能(4~10倍と言われています)を持ち、粘液を添加して、胆嚢管から総胆管を経て、十二指腸に胆汁を排泄する機能を持っています。
(9)大腸
《構造》
・大腸の長さは、1.5~1.8mで、盲腸、上行結腸、横行結腸(おうこうけっちょう)、下行結腸、S字結腸、直腸に区別されます。
《機能と生理》
A)大腸の役割
・大腸は消化・吸収されてきた残りの食物の通路としての役割のほか、水と電解質の吸収、消化されない食物を便として貯留させ、排泄へ向かわせる役目を担っています。
・大腸には、1日あたり消化液を含め1~2L入りますが、実際に便として排泄される量は1日あたり100~250mlとなります。
・大腸には絨毛はなくて、消化酵素も分泌しません。大腸の粘液はpH8のアルカリ性で、粘膜の保護と潤滑剤としての役目を果たし、便の移送を助けています。
補)消化酵素を分泌するのは胃粘膜、膵臓、小腸粘膜ということです。
[設問] 大腸についての説明で正しいものを一つ選べ。
イ 大腸にも、絨毛はみられる。
ロ 消化酵素も分泌される。
ハ 大腸の粘液はpH8のアルカリ性で、粘膜の保護と潤滑剤としての役目を果たしている。
ニ 大腸には消化液も含めると1日に約10Lほど入るが、実際に便として排泄されるのは100~250mlである。
正解 (ハ)
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