人体の構造と機能 第46回(血液・造血器の構造と機能) [人体の構造と機能]
(3)血小板
《構造》
A)血小板の形と数
・直径2~4μmの円盤形をしています。
・数は、20万~50万個/mm3あります。
B)血小板の微小構造
・血小板の表面は、糖蛋白で覆われています。
・血小板には核はありませんが、微小管によって形が保たれ、ミトコンドリアやグリコーゲン顆粒などがあります。
・血小板には濃染顆粒があり、アデノシン2リン酸(ADP)、ATP、セロトニン、カルシウムイオンが含まれています。
・血小板には、α顆粒があり、フィブリノーゲン、フォンウイルブランド因子(vWF)、凝固V因子、血小板第4因子、血小板由来成長因子、フィブロネクチン、α1アンチトリプシン、βトロンボグロブリン、p‐セクレチン、トロンボスポンジンなどを含んでいます。
《機能と生理》
A)血小板の役割
・血小板は、潜在的に粘着能と凝集能を持ち、止血機構に関わっています。
B)血小板と止血
・血小板は、出血した時、刺激因子によって活性化されると金平糖(こんぺいとう)のような形になり、細胞膜上に細胞接着因子が発現します。これによって、血小板は血管内皮細胞に接着・凝集し、傷口を塞ぎ、1次止血栓(血小板血栓)を形成します。このあと、各種凝固因子が出てきて、血液中のフィブリンが凝固して2次止血栓(フィブリン血栓)がつくられて止血は完了します。
[設問] 血小板について正しいものを一つ選べ。
イ 血小板の形は、元々、金平糖状である。
ロ 血小板の表面は糖脂質で覆われている。
ハ 血小板には核、ミトコンドリア、グリコーゲン顆粒などがある。
ニ 血小板は、潜在的に凝集能と粘着能を持ち、止血機構に関わっている。
正解 (ニ)
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