人体の構造と機能 第50回(血液・造血器の構造と機能) [人体の構造と機能]
5)生体防御機構
(1)非特異的機構(自然免役系)
A)常時待機型の免疫機構
・特定の抗原を認識して働く免疫系ではなく、常時待機している免疫機構です。
B)関与する細胞
・白血球中の好中球、好酸球、単球およびマクロファージ、リンパ球の中のNK細胞が関わっています。
C)貪食細胞
・好中球、マクロファージなどの食細胞とNK細胞は、病原菌を貪食します。この中で、貪食能はマクロファージが最も強力で、好中球は貪食後には死滅して膿となります。好酸球も弱い貪食能を持っていますが、寄生虫に対してケミカルメディエータを放出して攻撃する作用の方が強いようです。好塩基球は、組織に入ると肥満細胞として働き、他の細胞が活動しやすい環境をつくります。
D)NK細胞
・NK細胞は、大型のリンパ球で、免疫系が反応する以前に補体と協力して、ウイルスや癌細胞を破壊します。
E)マクロファージ
・マクロファージは、インターロイキン‐1などのサイトカインを産生し、これがリンパ球活性化因子となって、リンパ球の細胞分裂を増強することになります。
・マクロファージは、補体も産生し、活性化した補体は細菌の膜を破壊し、死滅させます。
補)補体は肝細胞でも産生されています。
[設問] 貪食能が最大のものを選べ。
イ 好中球 ロ マクロファージ ハ 好酸球 ニ NK細胞
正解 (ロ)
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