人体の構造と機能 第63回(生殖器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
《機能と生理》
A)精巣
・精巣の役割は、精子をつくることと男性ホルモンであるテストステロンを産生・分泌することです。
・精子の形成は思春期とともにはじまり、ほぼ一生にわたって持続します。
・精母細胞からは、テストステロンの作用によって、精子細胞を経て精子ができます。
・精母細胞は、染色体を46本有しています。1個の精母細胞は、有糸分裂で2個の精娘細胞になります。その後、精子細胞を経て4個の精子となります。
・精子は、頭部、頸部、中間部、尾部からなりたっています。
[設問] 精巣に関して正しい記述を一つ選べ。
イ 精巣の役割は、精子をつくることで、ホルモンの産生は行わない。
ロ 精子の形成は、生後まもなく始まり、ほぼ一生持続する。
ハ 精母細胞からはテストステロンの作用によって精子細胞を経て精子ができる。
ニ 精子は、頭部、頸部、尾部からなり、細胞内小器官はみられない。 正解(ハ)
B)精巣上体・精管・精嚢・前立腺・陰茎
・精子は精巣上体、精管、精嚢、前立腺、尿道腺からの分泌物と混ざって精液となります。
・精細管で産生された精子は10~15本の精巣輸出管から精巣上体に入ります。
・精巣上体からは、1本の精管が精巣の後面から上行して鼠径管から腹腔に入っています。精管は長さが50~60cmで、血管、神経、筋とともに精索を形成しています。
・精嚢は、膀胱の底面の後方に位置していて、長さが5~10cmの腺で、精嚢液を分泌しています。精嚢液はpH7.3で多量の果糖、少量の粘液を含んでいて、果糖は精子の栄養になります。
・精嚢から尿道までの管は、射精管と呼ばれ、射精管は前立腺の中を貫き、前立腺の中で尿道と合流します。
・前立腺の分泌物には特有のにおいを持つ、白色でアルカリ性の漿液で、精子の運動性を高め、受精能を高めます。
・陰茎は、性的刺激が加わると、副交感神経がインパルスを発して、海綿体に多くの血液が流れ込み、勃起が起きます。性的興奮が高まり射精が起こると、海綿体から血液が流出して勃起が終結することになります。
・精液は、pH7.2で、弱アルカリ性です。アルカリ性の精液は、膣の酸性を中和し、精子の活動を高めます。1回の射精で放出される精液の量は、約2mLで、その中には約6500万個/mLの精子があります。
[設問] 精嚢から伸び、尿道につながるのは、どれか?
イ 射精管 ロ 精管 ハ 精細管 ニ 鼠径管
正解(イ)
コメント 0