過去問を考えてみよう（217）

2１7　次の文を読み[問題２１7]、[問題２１8]、[問題２１9]の問いに答えよ。　Ａさん（23歳、女性）は、大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。母親は、Ａさんについて「中学時代までは成績優秀で、手のかからない、おとなしい子どもだった」と言っている。　両親と妹との4人で暮している。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮がむけてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、強迫性障害と診断された。Ａさんには極度に疲労している様子がみられたことから、本人の同意を得て、その日のうちに任意入院となった。　（2013年午後出題）

[問題217]　入院後、Ａさんとの話し合いで1日の手荒いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けており、看護師が確認するといつも洗面所にいる。　Ａさんが決めた回数を超えて洗い続けているときの看護師の対応で適切なのはどれか。

　１．　決めた手荒い回数を増やす。

　２．　回数制限を守れない理由を問う。

　３．　洗面所から離れるように誘導する。

　４．　病棟は清潔であることを説明する。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正解　（３）

[解説]　儀式化していて、本人が納得いくまでやめられないので、守れない上限の手荒い回数を増やしても到底効果はないと思われるので１は×。　わかっていてもやめられない状態なので理由を聴いても無駄で２も×。　病棟が清潔であることを理解しても、それでもやめられないのが強迫性障害なので４も×。　よって　正解は３ですね。　

[補足１]　不快な考えが、自分の意に反して浮かんできて抑えられないのを強迫観念といい、そのような不快な考えを打ち消そうと意味のない行為、たとえば手荒い、施錠の確認を繰り返すのを強迫行為といい、病気としては強迫性障害と呼ばれます。

　　では、次の設問に答えてください。

[設問]　強迫性障害に使われることが最も多いのはどれか。

イ　非定型抗精神病薬

ロ　定型抗精神病薬

ハ　抗うつ薬

ニ　抗不安薬

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正解　（ハ）

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