過去問を考えてみよう(320) [過去問解析]
320 Aさん(42歳、男性、事務職)は、仕事中に居眠りをすることが多いと上司に注意されていた。 Aさんの睡眠時間は7時間であり、寝つきはよいが、毎朝寝不足と頭痛を感じていた。 最近、いびきがひどいと家族から指摘されて受診した。 Aさんは、身長165cm、体重81kgである。 最も考えられるのはどれか。(2014年午前出題)
1. うつ病 (depression)
2. 低血糖症
3. もやもや病 (moyamoya disease)
4. 睡眠時無呼吸症候群 (narcolepsy)
5. 睡眠時無呼吸症候群 (sleep apnea syndrome)
正解 (5)
[解説] 昼間の耐えがたい眠気、質の悪い睡眠を暗示する寝起き時の頭痛や寝不足感、大きないびきと肥満、いずれも睡眠時無呼吸症候群を示唆するものです。 で、正解は5となります。
[補足1] 睡眠時無呼吸症候群は、原因により、1)閉塞性 と 2)中枢性 3)混合性 があり、1)は睡眠時に舌根部や軟口蓋が下がることにより気道が狭くなって起るもので、2)は呼吸中枢の障害で起るものです。 3)は1)と2)が併存したものです。 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療としては、肥満があれば減量、持続陽圧呼吸療法、スリープスプリント療法などがあります。 また、外科的に口蓋垂、口蓋扁桃などを切除する方法もあります。
[補足2] 中枢性無呼吸症候群の原因としては、多系統萎縮症がよく知られています。 多系統萎縮症の中でも、特にシャイ・ドレーガー症候群は大きないびきが特徴的な症状とされています。
[参考] 難しい神経内科の病気(4) ⇒ http://shiratoriksecretroom.blog.so-net.ne.jp/2013-04-02
次の設問に挑戦してください。
[設問] 睡眠時無呼吸症候群がみられることの多いのはどれか。
イ. 筋萎縮性側索硬化症
ロ. 多系統萎縮症
ハ. 進行性筋ジストロフィー症
ニ. 重症筋無力症
正解 (ロ)
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