過去問を考えてみよう(697) [過去問解析]
<長文問題> 次の文を読み697~699の問いに答えよ。 Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer(アルツハイマー)型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。 要介護4で、1年前からグループホームで生活している。 高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。 他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週間前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。
697.Aさんは廊下でうずくまっているところを発見された。 肩呼吸をしており、四肢に冷感があり下肢の浮腫が強い。 体温36.1度、脈拍120/分、血圧86/50mmHg、呼吸数40/分であった。 Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。 (2012年午後出題)
1. 心不全(heart failure)
2. 上気道感染(upper respiratory infection)
3. 狭心症発作(angina pectoris)
4. 閉塞性呼吸障害(obstructive respiratory disorder)
正解 (1)
[解説] 平熱で、肩呼吸、うずくまっているのは気障呼吸では、さらに下肢に浮腫となれば、心不全。 で、 正解は1。
[補足] 起坐呼吸とは、呼吸が臥位では苦しく、起座位で軽減する徴候。 左心不全の主要徴候です。 臥位になると、右心への静脈還流が増えるために、肺血流も増加し、肺のうっ血もおこり、呼吸が苦しくなるのです。 ただし、起坐呼吸は、心不全だけで起きるものではなく、気管支炎や喘息などでもみられます。 それは、気道分泌物を喀出するのが臥位では難しくて、起座位をとらざるを得なくなるからです。
[参考] ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-07-03
次の設問に挑戦してください。
[設問] 心不全や喘息でみられるのはどれか。
イ. 起坐呼吸
ロ. クスマウル呼吸
ハ. チェーンストークス呼吸
ニ. ビオー呼吸
正解 (イ)
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