成人看護学(14)(慢性的な経過をたどる健康障害への看護) [成人看護学]
9.慢性的な経過をたどる健康障害への看護
1)セルフコントロールへの援助
(1)心身のモニタリング
・ 慢性の経過をたどる患者が、自分自身で病状を管理するには、心身両面のモニタリングをする必要があります。 そのために、看護者はモニタリングの方法とモニタリングで得られた結果をどのように評価するかを指導する必要があります。
(2)受診・治療の継続
・ 慢性の経過をたどる健康障害の特徴は、「生涯にわたるコントロールが必要である」 「自覚症状が少ない」 「進行が緩やか」 「壮年期に多い」 「急性増悪や合併症がおこる」 などで、受診や治療が中断されることも多くなります。
(3)生活習慣・ライフスタイルの変更
・ 生活習慣病の予防や、病状のコントロールには、不健康な生活習慣やライフスタイルの修正が必要です。 行動変容を促進するためには、自己効力感などの理論に基づいた健康教育・患者教育技法が活用されています。
(4)自己概念の修正
・ 慢性的な経過をたどる健康障害を持つ多くの人は、経過の過程で自分自身に対する認識、つまり自己概念の変更、修正にせまられることになります。
・ 自己概念の修正をせまられると、人は心理的な危機を体験することになります。 その過程を支えることが看護者に求められます。
2)社会的支援の獲得
(1)家族・患者の会による支援
・ 家族・患者への社会的支援の1つに患者会、家族会と呼ばれる自主的な活動を主体としたセルフ・ヘルプグループと医療者主導で教育的・相談的な支援を主体としたサポートグループがあります。
(2)特定疾患治療研究事業の適用と保護
・ 特定疾患治療研究事業は、国の難病対策の1つとして厚生労働省において推進されています。
・ 特定疾患治療研究事業対象疾患は、現在56疾患となっています。
・ 難病には特定疾患治療研究費などの名目で医療費の公費負担が行われています。
[設問] 慢性の経過をたどる健康障害の特徴を二つ選べ。
イ 生涯にわたるコントロールが必要である。
ロ 自覚症状が強い。
ハ 進行が急激である。
ニ 若年期に多い。
ホ 急性増悪や合併症がおこる。
正解 (イ、ホ)
[設問] 以下より、特定疾患治療研究事業対象疾患を二つ選べ。
イ 脳梗塞 ロ ベーチェット病 ハ 筋萎縮性側索硬化症 ニ クモ膜下出血 ホ 肺気腫
正解 (ロ、ハ)
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