成人看護学(19)(呼吸機能障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(6)吸入量法、胸腔ドレナージ
(A)吸入療法
・ 吸入療法とは、呼吸器疾患の治療などの目的で、薬物などを口腔から送気させる方法をいいます。
・ エアロゾル吸入療法には、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、定量噴霧式吸入器、ドライパウダー吸入器などを使用します。
・ 吸入療法には、交感神経刺激薬、抗コリン薬、ステロイド薬、粘液溶解薬、抗アレルギー薬、抗生物質などが使われますから、それぞれの適用と吸入方法を患者に説明する必要があり、副作用と合併症に注意しなくてはなりません。
(B)胸腔ドレナージ
・ 胸水は一度に1000〜1500mL以上は排液しません。大量の排液はショック症状をきたすことがあるからです。
・ 胸腔ドレナージ後には肺の再膨張により胸膜伸展がおこり、疼痛が出現することがあるので、患者にあらかじめ説明しておく必要があります。
・ ドレーンの管理では、装置交換の際、必ずドレーンを鉗子などでクランプしておき空気が流入しないようにし、またドレーン部からの空気もれがないかを観察します。
(7)喘息発作時の対応と予防指導
・ 排痰の促進を図るため、腹式呼吸法、飲水と咳嗽法の活用などを指導しておきます。
・ 環境調整として、室内に空気清浄器を設置し、埃をたてないような工夫や、室温・湿度を適切に保ったりすることを指導していきます。
・ 予防的薬物投与については、医師と十分相談します。
(8)慢性呼吸不全の呼吸療法と生活指導
・ 呼吸法は、口すぼめ呼吸と腹式呼吸を指導します。
・ 禁煙の必要性を理解し禁煙実行が動機づけられるためには、家族と医療従事者の支援が必要です。
・ 薬物療法で使われる薬物の必要性、作用、容量、服用の仕方、副作用について十分説明し、理解が得られたかどうか確認します。
・ 食事はガスの発生しやすいものは、腹満をまねき呼吸困難を増悪させるので、避けるように指導します。
・ 急性増悪の原因となる感染を予防するため、手洗いやうがいの励行、インフルエンザの予防接種を勧めます。
[設問] 長時間作用性のβ2刺激薬や坑コリン薬の吸入が治療に使われる疾患は次のどれか?
イ 肺癌 ロ COPD ハ 気管支喘息 ニ 間質性肺炎
正解 (ロ)
[設問] 胸水の排液の限度は次のどれか?
イ 300~500mL
ロ 500~700mL
ハ 700~1000mL
ニ 1000~1500mL 正解 (ニ)
[設問] 気管支喘息の発作予防の基本治療は次のどれか?
イ 吸入長時間作用型β2刺激薬
ロ 長時間作用型抗コリン薬
ハ 吸入ステロイド薬
ニ ステロイド内服薬 正解 (ニ)
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